講義1(後期開講分) 平成29年度4回目

2017年10月16日。

今日から新しい章。まずは、等方性均一媒質中の電磁波。もちろん、電荷も電流も存在しない場合に限定。通常の光学材料は非磁性体なので、「光波を対象として、媒質の透磁率は真空の等しいとする」という教科書にあるやり方もできるが、「透磁率μについても、誘電率εと同様に、異方性はなく、かつ位置依存性もない」として本講義は進める、と宣言。異方性分子からなる系を例に分極が電場の方向による「異方性」の説明をした図を参照にして、「今は電磁波を対象にしているので、電場Eは振動(時間変動)し、それに応じえ生じる電気分極PEも振動(時間変動)するが、この系統(マクスウェル方程式に基づいた論理展開)分野の最初としては、εもμも時間的に変化しないとする」とも宣言。

今年度(後期)はD = 0を・(εE) = (ε)・E + εE = 0と変形し、更にεそれをで割った式を書き、(ε)/εがゼロに近似できる(つまり、誘電率の空間変動の大きさが誘電率そのものよりも小さい)場合に、E = 0と近似できるという補足を最初に補った。

後は例年と同じ。波動方程式の導出。z方向に伝搬する平面波に限定してのダランベールの解。変数分離解。複素振幅表示。ダランベールの解は、exp(±iωt)とexp(±ikr)の積を重ね合わせたときにexp[±i(ωt-kr)]が進行波で、exp[±i(ωt+kr)]は後退波であることを理解させるため。また、v=1/(εμ)1/2が波の速度であることの説明と、従ってexp[±i(ωt-kr)]のうちで分散関係k2=v22を満足するものが波動方程式の解であることを理解させるため。

次は、例によってこのような波動方程式の解は、マクスウェル方程式の解の必要条件であるが十分条件ではないという説明。まず横波の説明を行い、ついでTEM波の説明。最後に媒質の特性インピーダンスの説明。

次回は、スネルの法則については詳細はやらなくて、フレネルの公式に入ると予告をして終わり。