導入教育/創造科目 平成28年度2ラウンド目第1回

2017年12月9日。

昨日の午前の後半は、導入教育/創造科目 2ラウンド目第1回で、PERT(project evaluation review technique)法の簡単な演習。

前回に対して改善したのは、工程管理を行うに当たっての習熟度や疲弊度への対応の重要性の説明の際に、「フロート(ゆとり)」の術語を使ったこと。更には、日本化学会誌の巻頭辞が「ネガティブデータの共有とAI」だったことから、二つのことを述べた。2つ目が「習熟度や疲弊具合を見て、人員配置を調整するために工程表にゆとりが必要だが、習熟度や疲弊具合の見極め方はどうしたらいいだろうか」という点について。大工の棟梁は習熟度を見て仕事を任せたり、疲労度を見て休憩を入れたりする。それによって事故が起きないようにしている。「そんなもの、何十年もの経験で培うものなので、学生にPERT法でそれをやれといわれても無理」という反応はあり得る。逆に、「自分も経験を積めばできそうだ」という言い方もできる。失敗から学ぶということだが、それを短期間でやる方法は、人の手伝いをすること。自分が失敗をすると、精神的にもダメージは大きいし、卒業研究等での失敗は経済的や物的な損失を伴うかもしれない。お手伝いをして、危ういところや人の失敗にその場で立ち会う分には、それらは無いか少ない。身体的ダメージが伴うような失敗については、場合によってはお手伝いでも害が及ぶことはあるが。

AIとの関連でのコメントが第1のもの。これは、自己評価の「PERT法によって新しい問題が解決できる」に関すること。教壇を降りてからは発言することはあるが、壇上では初めてです、とお断りしてのコメント。今まで人間の頭での検索では、A1条件でもA2条件でもA3条件・・・でも上手く行かないから、その周辺に解を探すことはやめよう、となっていたところ。AIを使って検索したら、その範囲内にスポット的にすごく上手く行くものがあった、ってのはあり得る。

実際の授業は、第1ラウンドと実質的に同じ。ただし、卒研生に「卒研の工程において、PERT法の考え方により改善された点などがあれば紹介して欲しい」と頼んで、卒研の現場に近い声を言ってもらったことは良かった。その学生には10月初めの第1ラウンド第1回目の授業に出てもらったが、もっと早く「パラレルタスクとクリティカルパス」の考え方に基づいて計画を立てていればよかったとの言葉があった。また、11月末になって、例題のアローダイアグラム中のイベント〇に達するができたような状態であるという解析も、ためになったのではないだろうか。