博士前期課程講義 平成29年度 3回目

2017年4月26日。

昨日の午前の後半は、博士前期過程の講義の3回目。身近なフラクタルの実例を実演。

液体糊に墨汁を垂らしても、フラクタルフラクタルもどきも生じない。墨汁も粘度が高いからだと予想される。墨流しは、次回の「デバイダ法」による解析の実習に使えそうなものができた。写真を撮らせ、次回にプリントアウトして持参するように指示。紙に墨汁を垂らすのは、少し難しい。撮影が難しい。つまり、垂らすとフラクタルパターンは生じるが、時間経過に伴って直ぐに鈍ってしまう。スマホのカメラを別の学生に構えさせ、鈍る前に写真を撮らせた。

フラクタルもどきでさえないが、フラクタル解析が使える例として、水と油を混ぜたものを皿に広げたものを見せた。様々なサイズの「油滴」が存在しているので、拡大縮小したときに同じパターンになるかもしれない、と思わせるもの。もしそうならフラクタルである。実際に過渡的なアイランド分布でそういうパターンは存在しても不思議ではない。理論的には、平衡二相界面は臨界点でフラクタルパターンとなる。これは、実演に先立って講義で述べた。実際のパターンを見せて述べたことは、アイランドサイズ分布という、フラクタル解析の手法が適用できること。

さて、次回も楽しく実習を行いましょう。