講義1(後期開講分) 平成29年度6回目

2017年10月23日。

本日は、朝イチに講義1。それに次いで午前の後半は大学院の授業。

本日の講義1は、予定通りプレネルの公式の数値例(グラフ)から始める。グラフでブルースター角と全反射の臨界角の説明を行う。その後にエネルギー反射率とエネルギー透過率。ブルースター角の説明を再度(数式を使って)行った後、全反射についてで終り。全反射については、あらかじめ「時間がなければ、全反射のときの透過波の振舞いだけで、反射波については次回に行う」と断る。

フレネルの公式のグラフと説明の後は、まず光強度と光波の振幅の関係を。強度Iが振幅Eの二乗に比例することは分かっていることなので、I0∝nE2と屈折率nに比例することがポイントであることを述べる。ポインティングベクトルを用いた計算で済ました。断面を通過するエネルギーを問題にする場合、断面の法線ベクトルnと波面法線ベクトル(出伝搬方向の単位ベクトル)aが角θをなす場合、Iθ=I0cosθとなることも計算で。エネルギー反射率の計算を少し丁寧目にやって、ここではnの効果もcosθの効果も聞いてこないことを言う。その後、それが効いてくるエネルギー透過率の説明を。斜入射の効果で、境界面においては波束が垂直断面よりも広がっていて、単位面積を通過するエネルギー密度が小さくなるという幾何学的な説明も加える。

ブルスター角については、フレネルの公式の振幅反射率rpで、分母=0とした式を解いても得られことをまず述べる。その後、通常の教科書はでn1とn2をスネルの法則を用いて消去したrp = tan(θit)/tan(θit)で分母→∞となる入射角の条件(つまり、θit=π/2)かブルースター角を媒質の屈折率で表した式を得ていると説明し、実際にそれを行う。勘違いをして、全反射の臨界角でn1とn2が逆になっている式があるのを説明する図を描いてしまい、速やかに消した後に同じ図を描いて説明を始めた。全反射の場合は、屈折率の大きい法から光波が入射するので、n1<n2で媒質2側から光が入射する図が書かれる。n1<n2の場合に媒質1側から入射するケースが教科書のもの(以前にそれを間違えたことが頭に残っていて、フライングをしてしまった)。

全反射については、ブルースター角を屈折率で表した式を導きく過程で全反射の条件θt=π/2を用いると全反射の臨界角を媒質の屈折率で表した式がえら得るところは問題なし。問題は、時間がないと言って、全反射のときの透過波の振舞いののみを論ずるところで、フレネルの公式の振幅(反射率と)透過率が電場の振幅の比であることを板書したこと。特に今回は時間がなかったので、「これまでは振動解を探すのが目的だった(従って、変数分離定数を-ω2や-k2として微分方程式を解いた)が、マクスウェル法的式の解としては、減衰解も物理的に意味がある」いうイントロに限定したので、イレリバントでさえあった。全反射の場合に透過波がエバネッセント波になることの説明の場合も、フレネル公式における振幅透過率が透過波と入射波の振幅の比であることは無用なので、次回からはやらないことにしよう。

次回にその続きを行うこと(反射波については繰り返さなかった)は言ったが、偏光に関することを行うのは予告しそびれた。レポート課題を出題することは言った。