講義1(前期開講分) 平成29年度8回目

2017年5月9日。

月曜の午後イチは、講義1。昨日は、講義(前期開講分)の8回目だが、前半の試験は一週間遅らせて実施するので、後半の1回目。毎回同じように紙に切り込みを入れ、底にレーザーポインターの光を通し、横に光が広がることを見せるのからスタート。縦に切り込みみを入れた場合、光は横に広がる。これが回折で、後半の主題。

先週出題しておいたレポートについて、演習と同じ間違いを犯して欲しくないので、注意点をプリントして配布。ただし、解説は来週の試験の後。さすがにnE=0だと、それをE=0と等価だとみなすことはないだろうが、外積だと三成分あるので、「これは、E=0と等価だとみなしている」というケースが生じ兼ねない。

偏光の右回りと左回りについて、教科書では図と本文に食い違いがあった。「私も先週は、演習の後にゼミがあって、講義までの間に休憩を入れられなくて疲れてしまって。この教科書の著者もこの部分を書いた時にそんな状態だったのかも。なんかわかるな。。。それではいけなくて、それがわかるから、講義では正しいことを言わなければ・・・」。

まず、光波限定なのか、電磁波共通なのか、波動共通なのか、それとも周波数が高い場合に限定なのか、いう話を初回と同様にする。ホイヘンスの原理ということで、波動共通だと言及。スカラー波近似というとも述べる。ホイヘンスの原理では後退波を排除できない欠点があることも言及。後半でやる回折理論では、それが解決されるとも。

回折積分は、グリーンの定理から入るのが定番。いつもは、ヘルムホルツ方程式の境界値問題をグリーンの定理を適用して解く、というい方をして入っている。今回は、開口面における振幅を足し合わせて、観測面における振幅を計算する、ということを先に言ってしまう。その後、ヘルムホルツ方程式に従う振幅の点Pにおける値を、点Pを内部に含む領域の表面における振幅がわかれば、表面積分によって計算できる、という定式化までを行って終わり。私の親切は、グリーンの定理における方向微分の説明を、点Pの回りの半径Rの球形の領域の表面S'の法線に対するものがすんなり理解できるよな定義式を書いていること。また、S'に渡る表面積分は、極座標で表して丁寧に行っている。