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ハゲタカ出版社(2)

2015年12月13日。

ハゲタカ出版社についての記事についてのブログのその2。「potentially predatory」について、二回に分けて綴ろう。その記事の中で、Scientic Research Publushing (SCIRP)が「特に名高い悪徳」として、下のリンクと共に挙げられている。

www.scirp.org

論文の閲覧数、ダウンロード数等が示されている。「無用に競争心を煽る」という面はあるだろう。しかし、悪名が高くなっている出版社がこれをやると叩かれる、という色彩が強いのではないだろうか? PLOS ONEのArticle-Level Metrics (ALM)と基本的に同じだと思う。読者の「人気投票」によって掲載論文をランク付けしようとするもの。論文の本当の価値は、専門家でないと正しく判断できない(peer reviewという審査形式の論拠)。従って、人気投票では一般受けだけが過度に評価され、本当の研究の価値が埋もれかねない。全くその通りですよ。しかし、それとハゲタカ出版社を同一視するのはよろしくない。悪名が高くなければ人気投票によるランキングは良いとされ、悪名が高ければ悪いとされている様に見える。ただし、申し訳ないが私はPLOSのジャーナルに投稿した経験はないので、「正しい手法で結論が導かれていれば、読者受けするかどうかの判断を編集局ですることなく掲載する」というのが、ハゲタカ出版社のそれと実際にどの程度異なるのかは、全くわからない。

実は、Nature系などでも基本的には同じ考えなんですよ。Nature姉妹誌では、編集局が一般受けするかどうかを査読に回す前に審査します。やり方としては、読者の人気によるランキングと真逆ですが、読者受けが目的なんです。ALMタイプとの違いは、「これは、間違って読者人気投票で上位にランキングされては困る」という論文があらかじめ排除されることでしょうか? しかし、それは一長一短で、読者が埋もれた価値を掘り起こす可能性も排除してしまう傾向を生じますね。

あのね、Nature Publishing Group (NPG)も同じことをやりますよ。Nature姉妹誌に投稿し、余り読者受けしないと判断された場合、NPGがPLOS ONEなどに対抗して出版を始めたオープンアクセス誌への投稿(転送)を薦めてきますね。私はその時、IFと掲載料を天秤に掛けて、他誌に再投稿をしましたが。また、有名学会の雑誌にも同様なオープンアクセス誌があって、そこへの転送を示唆されたこともあります。

結論としては、ハゲタカ出版社のpotential listにリストされている出版社が刊行している雑誌が、文字通りpotentallyで終わってくればいいんですよね。投稿する際には、十分に注意することですね。既に掲載されている論文の内容と質をチェックすることは必須でしょう。編集局と査読者も、出版社のpredatory方針に負けないようにして下さい。