博士前期課程講義 平成27年度 講義2回目

2015年4月21日(アップするのを忘れて1日遅れ)。

講義1は明日で5回目なのに、本講義は今日が2回目。

フォトニックフラクタルの話をしました。フィーバーがあったのは、もう10年前なんですね。しみじみ。

「光閉じ込めの効果が劇的に向上する」って言っても、それだけでは通じない。フォトニック結晶の話から入る。

2004年のPhysical Review Letter論文の被引用数は40なんですね(当該論文のwebページのCiting Articlesのところ)。

http://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.92.093902

「フォトニック」を冠していながら、マイクロ波領域で研究されていましたので、当時からダウンサイジングについて言われていましたね。ダウンサイジングが上手く行けば、もっと被引用数は増えるのでしょうね。

その課題は、当然ながら講義でも指摘しました。

当のPRL論文では、光造形法によって構造体が作製されている。ダウンサイジングに当たって、微細加工技術がリーズナブルどうか。フォトニックな領域の構造体を形成するのに、第3段階(以降)の構造形成は、微細加工技術が適用可能かどうか。時間とコストの面は問題ないか(これは第2段階でも生じるかも知れない)。

では、自己組織化法に可能性は残されているのか。確かにサイズの異なったコロイド粒子を用いて、合金構造のコロイド結晶は作製されている(古くは、Hachisu & Yoshimura, Nature, 1980)。

「停滞しているフォトニックフラクタルの研究。この問題を解決し、あなた方がブレークスルーを起こせるかもしれない。」とencouraging comment。

※実は、講義をしていて「あっ」と気づいたことがありました。企業秘密だし、もう少し動向調査を進めてからの話ですね。