計算機実習 平成29年度その1の第1回目

2017年10月4日。

その1は例年通り二次元イジング模型。

今年の3年生は、「できる」との印象。これは、講義その1の前半に抱いた印象と同じもの。数学演習は前代未聞の悪さだったし、講義その1の後半も全く逆の印象。全5回の3回目に入って説明していたような、周期境界条件のところに既に1回目から入ってしまった学生が複数。

もちろん「困難学生」もいるが、ソースコードのインデントを素直に行い、それだけで自分でミスに気付けるようになる「素直さ」が違う。

'c'はchar型、"c"は文字列という区別ができているだけでなく、string[i]='c'のようなことを理解している学生も。

期待しますので、応えて下さいね。

講義1(後期開講分) 平成29年度2回目

2017年10月3日。

後期前半の火曜の夕方は、講義2。夕方の講義は、それまでの仕事の疲れをためた状態で望むので、良くない。次年度からは、断ろうと思う。

講義内容は、電磁場の境界条件。そのうちの磁束密度、電束密度、電場に対するものをやり、磁場に対するものは次回。次回は、演習も行うのでそのアナウンスも。

電場に他する境界条件は、ストークスの定理を適用して導出するが、境界面法線ベクトルに対する記号と、ストークスの定理を適用する「枠」の法線ベクトルに対する記号を、教科書とは逆にして途中まで進め、途中で教科書に合わせるように修正したため、最後が「ばたばた」になってしまった。

境界面法線ベクトルと電場ベクトルの外積の計算は(いつものように)「各自でやっておくように」とした。次回の磁場に対する境界条件の最初にこれをやると、磁場に対する境界条件の説明がやり易い。「ばたばた」を補うことにもなるでしょう。

講義1(後期開講分) 平成29年度1回目

2017年10月2日

本日から後期開始です。月曜は朝イチから講義です。疲れは感じていたものの、「途中で疲れてしまって、細かい説明を『今日はやめ』」にはしませんでした。最初の時間なので、授業のホームページを示したり、プロジェクターを使ったのですが、プロジェクターがパソコンのスリープに合わせてスリープしてしまったのには参った。学務係の方、助けて頂いてありがとうございました。終わりには、今度はプロジェクターの電源が落ちませでした。

内容は、マクスウェル方程式の復習です。もちろん、私ならではの事項は忘れていません。λ[m]=300/f[MHz]は無線工学で出てくる便法かな。

体罰が許される場合

「愛があり、信頼関係があれば、体罰は許される」 というのは、間違い。

体罰が「ケースバイケース」で許されてはいけない理由 (Wedge) - Yahoo!ニュース

しかし、「どんな場合も許されない」というのも間違い。

衝動性の強い行動を伴う発達障害系の障害などについては、体罰性の強い叱り方で生命などを守ることは必要。こういうのは、緊急避難という。緊急避難性がなければ、愛があり、信頼関係があっても、体罰は避けるべき。

緊急避難は、必ずしも自傷他害に限定されない。衝動性の強い行動によって、例えば、億単位の賠償請求に至る場合は、緊急避難性を認めるところでしょう。

専門家の判断が必要なのは、衝動性を抑えるための薬物療法を回避するために、体罰性のある「リハビリ」を行うこと。

アカデミックハラスメントの定義

2017年8月4日。

山形大の学生の自殺(例えば、山形大生自殺 アカハラで提訴 | 2017/8/3(木) 21:03 - Yahoo!ニュース)、言葉がありません。

タイトルに書いたように、アカデミックハラスメントアカハラ)の定義に違和感があります。

「研究・教育で地位が上の人が行う嫌がらせ」は、アカハラの概念ができた頃は「研究・教育で立場が上の人が行う嫌がらせ」だったはずです。地位ではなくて、立場です。上の記事の下にもリンクをたどれる「NPOアカデミックハラスメントをなくすネットワーク(NAAH)」にその定義が書いてありました。探せば当初のメールのやり取りで「立場」としてある定義を探せ出せます。

私、成人スティル病という自己免疫疾患で、ステロイドの長期服用のために重篤な易感染状態でした。今は、メトトレキサートというリウマチ用の免疫抑制剤だけになってますので、以前のように「カゼを引いている方は、咳エチケットを守って下さい」と講義室へマスクの箱を持参することはしていません。しかし、インフルエンザで1週間寝込んで、体力の回復が1カ月以上掛ったことがあるので、感染症などの出停期間の厳守はお願いしています。大学は、今は出席停止だった学生に対しての個別対応はしなくてもいいという方針を出していますが、私は「個別対応はするから」と言うことで出停期間は厳守してもらっています。

アカハラの定義中の字句が「地位」か「立場」かで大きく異なります。つまり、難病患者という弱い立場の教員に対して、感染症の出停期間を学生が守らなかったら、「立場」の場合は「学生が難病患者に対してアカハラをやった」ことになるのです。「地位」の場合ですと、そうはなりません。教員が弱い立場にあろうとも、地位は教員ですから。つまり、学生は「教員という学生よりも上の立場であることを利用して、教育を受ける権利を制限された」と主張できるのです。アカハラの観点からは、このような権利の濫用は正当化されてしまいます。すると、易感染患者に対して、感染症罹患の危険性のある状態を作ったという、傷害未遂ないしは「未必の故意」の傷害という、刑法の適用によって「権利の濫用」という違法行為に対処しなくてはならなくなってしまいます。

申し訳ありませんが、NAAHのホームページで最新のアカハラの定義を確かめることはしていません。これは、私が刑法の観点から違法行為(大学が定義するアカハラに照らし合わせれば正当行為)の証拠を「これからアクションを起こす積りだが、(もし私がアそれをできない状態に追い込まれたときの)念のためにそれのコピーを預かってくれないか」と言って送付したときに、そのようなこと(訴訟や告訴など)のサポートはできない、と断わられ、コピーを破棄してもらったいきさつがあるからです。それを思い出してしまうので、NAAHのホームページを訪れることは、こころが重い。

さて、このパラグラフで思い出したことがある。それはその当時、大学の定義するアカハラ、セクハラは大学ごとに異なっていたということ。当然、NAAHの定義と大学ごとの定義も異なっていた。私の抱いた違和感は、山形大学が定義中に「地位」と書いたその感覚に対する違和感と言うことになります。今は、パワハラというカテゴリーがあるので、「立場」に基づいたハラスメントはそこに入るのかも(部下から上司へのハラスメントはそうですよね)。

もう一つ「山形大学」で思い出したことは、アカハラトラップのこと。「地位」となっているから「アカハラ」ラトラップとして成立しているように思います。上位の法に照らし合わせたら、その教員は正当化される、と言うのが私の判断です。

講義2 平成29年度 第16回目

2017年8月3日。

昨日は、最終回で目標2(後半)の試験。試験前に疲労困憊の感じ。基礎知識を問う試験の後に、試験の解説と演習の解説・講評。

いい夏休みにして下さい。

長男が帰って来ているので、関連する会話。東大は理Iは物理の先生が熱力学を教え、理II理IIIは化学の先生が熱力学を教えているとのこと。1年生の前期に熱力学を教えることはいい。標準状態に対して、解答が即返ってきた上、「近年、定義が変わった」と言うメモが教科書の端に残っている、と言うコメントが加えられたことに関心。fugacityやactivityをやっていないことには、「あれ?」。最後の回が沸点上昇と融点降下、浸透圧だというのは、私の講義と全く終り(ただし、私は、activityについてもやっている)。教科書は、私の使用している教科書の著者が書いた新刊。そういえば、1名の学生に教科書を貸してあるが、・・・返して下さい。

やっと7/31(月)の実施した数学演習の再試験の採点が終了。1名救うのが難しいのがいるが、止むを得まい。さて、講義2の方は、どうなるか。来週の月曜は、講義1の再試験。

演習 平成29年度 再試験

2017年7月31日。

朝イチで私の担当箇所の再試験を行いました。今までは、全てテスト直しで対処して来ましたが、今回は再試験での対処です。手伝ってくれたTAの大学院生が「これって再試験ですよね」と人数の多さに驚いていました。

exp(±iωt)がわからん奴がおる。何人かは、それでもフォトニクス分野の卒研をやるんだろう。モル計算ができない材料系研究者と同質かな? 量子力学の系統で「私にはモル計算は不要」って頑固者が許されるのだろうか?...化学系のものが理論物理のものから「まだ攪拌が不十分で付近均一だから、もう少し均一になってから総容量を〇mlにしないと、■mol/Lにはならないよ」ってのは、あるんです。 「私は材料系ですが、量子化学計算による物質設計なのでモル計算は不要」などと言うのを周囲は許しているんでしょうか?

全員ほぼ満点で、その6掛けで点数の修正をする積りが・・・

再々試験は行いません。