本当に無償化すべき教育

2017年12月12日。

堀江貴文氏、生活保護世帯への進学支援「無駄遣い」 (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

この意見は、「大学無償化よりも、大学院無償化だろう」という、大学教員の声と同じ方向性を持っている。もちろん、モラトリアム的に大学院に進学した/する学生はいる。しかし、やる気のある学生、優秀な学生をプロモートするには、大学院無償化の方が圧倒的にいい。モラトリアム的に大学に進学した/する学生の方が、大学院に進学する学生に較べて圧倒的に多い。

堀江氏は、大学生の現状を理解していないが、大学の現場の教員でないので、当然。優秀な学生に対する経済的な支援は、不十分なのが現状。学費免除だけでは不十分。また、学費免除の件数は、必要数を下回る。

別の大きな問題がある。生活保護は最低限の文化的生活を営むためのもので、おそらく専門学校進学に対する支援は、大学はおろか専門学校の学費でさえその対象にならない。それへの対応が必要なのだろう。専門学校の学費を支援しなければ、貧困の連鎖は断ち切れない、という問題。専門学校の学費の支援を受け始めた場合、生活保護の継続が、法解釈としても難しいものがあり、窓口の実務としても困難を生じるであろう。教育を受ける権利は、能力に応じて等しく与えらるものである。したがって、「専門学校さえ」というケースが出てきても問題にならない。「最低限の文化的生活」は、能力は関係なく線引きをしなければならない。