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講義2 平成28年度第14回目

教育

2016年7月28日。

昨日は、講義2の14回目。昨年度は、最後の週は、関節状態が悪く、板書できなかったのでパワーポイント講義だった。本年度は、今は「でものはれもの」状態だが、板書できる。レポート等の採点は遅れている。

まず、液体の化学ポテンシャルの圧力依存性が無視できることと液体が非圧縮性であることが等価ではないことを補足。

次に、部分モル量。まず、理想混合気体や理想溶液の体積のadditivityについて思い出してもらう。それは、ΔmixV = 0 だから。非理想の場合は成り立たない。そこで、部分モル体積なるものを導入する。ギブス・デュエム関係式の導出のところと全く同じうに、温度T、圧力T、体積V、モル数n1、n2・・・の系をλ個合成することを考えましょう。体積についてλV(n1,n2,・・・) = V(λn1,λn2,・・・)が成り立ちますね。TとPは省略しました。ギブス・デュエムのところで行ったように、λで微分してから、最終的にλ = 1と置くなどとすると、同時式に関するオイラーの定理の形になりますね。V = Σ ni(∂V/∂ni)T,P,{nj;j≠i}。ここで、部分体積Vi = (∂V/∂ni)T,P,{nj;j≠i}を定義すると、理想的な場合と同だadditiveな形V = ΣniViになりますね。他の量に付いても同様に部分モル量が定義できます。既にギブスエネルギーGついてはやっていて、部分モルギブスエネルギー = 化学ポテンシャルですね。教科書には、内部エネルギーとエントロピーについてやってありますね。部分モル内部エネルギーの定義では、自然な変数がS,V,・・・なのに、モル数で偏微分を行うときにT,Pを一定に保ってることに注意して下さい。部分モルエントロピーについても同様です。Sについて、何が自然な変数化はdU = TdS - PdV・・・の式をdSについて解き直して見て下さい。他の量についても、全く同様です。部分モル量は「partial molar 何とか」って言います。分圧のことをpartial pressureというので、同類のものかと誤解しがちですが、異なるものです。ダルトンの法則に基づいて理想混合気体について定義されるものです。

その次に、理想希薄溶液。まず、理想溶液について、分子の大きさが等しいことと分子間相互作用が等しいことを復習。前者からΔmixV = 0、後者からΔmixU = 0が出てきて、混合のエントロピーΔmixS = -R Σ ni ln xiのみが残ることに言及(これも復習)。さて、この理想性が出てくるもうひとつの条件を考えましょう、というのがここでやることで、既にセクションたいとるから「希薄」ってわかりますね。その前に、理想溶液は、希薄のような条件に限定はありませんが、軽水と重水とか、メタとパラ(場合によってはオルソも入るかもしれません)とか、物質が限られてくるですね。ΔmixVとΔmixUが無視できて、ΔmixSのみが残るような度合いの希薄を無限希釈といいます。これは、どの物質にも存在します。さて、片方の系が微量な場合の混合を考えましょう。量の少ない方が溶質で多い方が溶媒です。簡単のために微量な分子を点で表します(もう一方はマル)。格子間に点が入る形になるので、微量な物質の体積分だけ体積は減少しますね。しかし、もう一方の物質の体積が十分に大きければ、その体積変化は無視できますね。次に、点の分子が混入したときのエネルギーを考えて見ましょう。(混入によって新たに増えた相互作用を表す線を既にある相互作用を表す線のある図に加え)エネルギーの増分も、元の相互作用を行っている分子対の数が十分に大きければ無視できますね。こうして、希薄な場合には理想的になることがわかりますね。従って、Δmixμi = RT ln xiが出てきます。さて、混合のエントロピーの効果に純物質の効果を加えたトータルの化学ポテンシャルを考えましょう。理想溶液の場合は、μi(T,P,xi) = μi* + RT ln xiで、 μi*は純物質の化学ポテンシャルでした(xi→0とすれば、ln 1 = 0 なので、μi* = μi(T,P,1))。理想希薄溶液の場合は、少し面倒なことになります。μi(T,P,xi) = C + RT ln xiとなりますが、定数Cの解釈が理想溶液のようには行きません。溶媒については、μ溶媒(T,P,x溶媒) = μ溶媒* + RT ln x溶媒です。なぜなら、希薄というのは、 x溶質~0、 x溶媒~1のことなので、 x溶媒→1の極限が取れるからです。溶質については、μ溶質(T,P,x溶質) = μ溶質0 + RT ln x溶質と書けますが、もうμ溶質0 は純物質の化学ポテンシャルとは解釈できません(プリムソルを0で代用)。 x溶質→1とすると、理想性は破れてしまいます。形式的に x溶質→1とすることはできて、左辺は μ溶質0 になりますが、右辺は化学ポテンシャルと解釈できない量になってしまいます。

最後にヘンリーの法則。この前に、演習のレポートを回収するのを忘れていたので、いまから提出して下さい。その後、○分から講義を再開しましょう、とする。さて、ヘンリーの法則は、理想希薄溶液と理想混合気体の相平衡の問題。溶媒と溶質について、両相で化学ポテンシャルが等しい式を書く。溶媒については、理想混合気体と理想希薄溶液(溶媒については、理想溶液と同じ)を用いて、ラウールの法則になることを述べる。溶質に付いてもほぼ同様だが、μ溶質*でなくμ溶質0となっていることが違う。μ溶質0は、純物質の・・・と言うような解釈のできない量だから、ラウールの法則のようには行かない。混合気体の成分iの分圧が溶液の成分iの濃度に比例するという結論だけになる。比例係数はHenry's law constant(おっと、講義ではrawと間違えていた)と呼ばれるが、これは実験的なもの・・・。組成-圧力の図の説明をして終わり。

予定通り定刻より5分くらい前に終了。Henry's law constantが実験的なものであることに関し、材料研究って、そんなもんですよ。原料の配合比をこまめに変えて、材料の物性がどう変わるかを・・・ってこと、私も来月末の共同利用ではやりに行きます。