講義2 平成28年度第9回目

2016年7月8日。

今日は、朝イチに9回目の講義。午後イチに10回目の講義。朝の講義終了後に医者へ行ってから午後の講義の積りだったが、戻ってくる自信がなかったので、予定変更。既に疲れている。

9回目は、後半の2回目。化学ポテンシャルの性質、理想気体の化学ポテンシャル、質量作用の法則。朝イチなので集まりが悪い。出席を取るのを少し待って、dU = TdS -PdV +μdnを書いて、d'q = TdS (等号のところを強調して、「!?])とd'w = -Pdv + μdnを書き、「前回は、微小に離れた二つの状態を考え、それらを準静的可逆過程で結ぶ」と書きましたが、論理的には問題はないが「あれ!?」と思いませんでしたか? dU = U(S+dS,V+dV,...) - U(S,V,..)は、状態量の変化だから終状態と始状態にのみ依存して、途中の過程には依存しないから、準静的可逆過程で結び付けても構わないんですよね。準静的可逆過程外で結びつけると、d'wには摩擦による仕事が余分に加わるんですよね。そして、摩擦による発熱があるから、d'qからはその分を引くことになるんですね。それらがキャンセルして、準静的可逆過程での計算と一致するんです。

化学ポテンシャルの性質は、相平衡の条件を述べるもの。相平衡の条件のうち、力学的な平衡に相当する、共存する相の圧力が等しいというのも説明したいので、いつもヘルムホルツエネルギーを用いたものをやっている。ギブスエネルギーを用いたもの(等温定圧での相平衡)が(いろいろな)教科書に書いてあるが、それは教科書を見て下さい、と。まず、第2法則...自由エネルギー最小=平衡条件、と書く。等温定積閉鎖系の図(二相共存=α相とβ相の共存)と定積および閉鎖系の条件式を書き、ヘルムホルツエネルギーを体積およびモル数の分配の仕方に関して最小化する問題を解くことを述べる。独立変数が何かを認識しましょう。以前にも述べましたが、それができないと混乱してしまいます。全系のヘルムホルツエネルギーをV(α)について最小にする問題をといて、二相の圧力が等しい条件を出す。同様に計算して、二相の化学ポテンシャルが等しい条件を出す。相共存条件として、共存する相の温度、圧力、化学ポテンシャルが等しい、というのを書き、線で囲む。体積の分配に関して圧力が等しいことが出てきて、物質の移動に関して化学ポテンシャルが等しいのが出てきます。温度が等しいのは、エネルギーの移動に関するものです。

dU = TdS -PdV + μdnを残したまま、ギブス・デュエム関係式の説明へ。dU = TdS -PdV + μdnは、独立変数としてS, T,..をとり、T, P,...は従属変数であることを表していました。そのような、状態変数の間に成り立つ関係式について述べます。示強変数と示量変数と言う分類があったことを思い出して下さい。

(勝手にトップ画面に切り替わって、入力した多くが消えてしまった。今日はもう元気がない。)