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講義2 平成28年度第1回目

2016年6月3日。

6/3の1-2講時は、講義2の第1回目。補講です。正規のカレンダー(学年暦)では、6/10から開始だが、6/10は所用のため休講。某財団の研究助成金の贈呈式に出席するためで、教員が研究の現場にいることは一長一短だが、最先端に触れることができるというメリットを享受するのがいいでしょう、と。つまり、○○の材料開発の研究に助成金を貰いますとのことで、その材料の話を少し。

1回目なのでまずはシラバスと授業の予定表を配布。最重要なのは、担当教員が免疫抑制剤を服用している難病患者なので、他の職務に支障の出ないようにご協力をお願い。インフルエンザ等の場合は出停期間を厳守して下さい。学部では、出停に対して補講をすることは不要となっていますが、私が出停厳守をお願いしているのですから、一人に対してでも必要ならば補講をします。また、それを実施するために、正規の理由がない場合は、補講等はしません。携帯の電源はオフにしなくても構いません。だだし、それは家族の不慮の事故などに対応するためなので、不急の場合の授業中の携帯の使用は慎んで下さい。さもなくば、不測の事態に対しても禁止に繋がり兼ねませんので。

その後、「はじめに」。まず、熱力学は巨視的な見方をする体系の学問であることを説明。統計力学と相補的。統計力学は、分子間相互作用の情報が与えられたら、処方箋に従って材料物性を計算する手法であって、数学(特に積分)の得意な者にとってはルーチン的で簡単ということを述べる。熱力学は、むしろ微分が中心。

。早速、序論の講義に入るが、私が担当教員なので・・・「熱力学は巨視的なものの見方をする」ことに関し、流体力学や弾性論の連続体力学も巨視的なものの見方をする学問体系であることを述べる。流体力学も弾性論も機械工学の分野であることを述べる。平衡状態と定常状態を区別すべきであることも述べる。気体の入った容器のピストンを引くと流れが起きて非平衡状態になる例の前に、温度の異なる熱源を両端に付けた物体の温度分布の話をする。平衡系の部分系もまた平衡系であることがポイントだと述べる。後でやる第ゼロ法則とも関係している、と。もちろん、初等熱力学は平衡状態が対象であることは述べる。化学反応速度論は別の学問体系でであることも言う。しかし、化学平衡は対象。学部の統計力学が対象とするのも、同じく平衡状態だということも。またまた私が担当教員だから、非平衡を扱う熱力学もあることにも触れる。熱力学で扱う状態量が「平衡状態でないと定義できない」ことは強調しなかった。

早速、孤立系と閉鎖系と開放系の説明をする。初回のキーは、熱力学第0法則であろう。化学熱力学では、推移則としての第0法則をやるが、系を外界から遮断すると(孤立させると)「十分な時間経過の後に、平衡に達する」ことが最も重要。十分に時間が経過すると「巨視的変化がない状態」になる。それが、熱力学の対象。著名な先生の教科書に「観測手段が発達すると、平衡と見なしていた状態が実は変化をしていることになって、熱力学が変わるかもしれない」と書いてあるが、間違いです! 微視的には、変化はしています。巨視的に見ると「変化がない」というスケールが存在するかどうか、という問題です。また平衡状態と定常状態の問題に戻る。

示強変数と示量変数のことを述べたら、あとはほぼ高校の熱力学の復習。ただし、高校で理想気体を用いて定義した絶対温度は「経験(的)温度」である、ということに言及。大学では、「熱力学的温度」を習う、と。え、高校であれだけ帰納法のような論理を通じて導入した絶対温度が、「経験的」なんですか?って、がっくりきましたか? もっと熱力学的に厳密な温度があることに気体しましたか?と少しサービス。また、熱力学温度の言葉を出したところで、「統計力学的温ってのがあるんですか?」って話を出さなかった。実はそれらは同じで、「熱力学のエントロピー統計力学エントロピーが同じだからと」いうことで、「エントロピーって聞いたことありますか」と言って、期待を持たせようかな、とも思っていた。

気体定数について高校で22.4l・atm/K/mol(ニニンがシ、リットル・アトム・舌どもる)と言って、1モルの気体は1K、1気圧で22.4lであると覚えているかも知れないがウソですよ。1000K、0.001気圧ならそうですが。どんな気体でも、(高温)低圧では理想気体に漸近するんですよ。高温に括弧をつけたのは、22.4lの文脈から高温となったが、液化が関係しないような低圧ならば、常温で構わないとコメントしてから。これを話したのは、漸近的性質は高校ではそんなに気にしなかったかもしれないが、高校と大学の違いはその当たりの精密だというため。

圧縮因子、膨張率、圧縮率、そして混合物の場合の組成の表し方の一つとしてモル分率をやって終わり。

熱力学は化学リテラシーであることを強調しなかったのは、抜かり。