講義1 平成28年度第1回目

2016年4月8日。

新入生に対するオリエンテーション・導入授業の関連の仕事で十分に時間が取れない中、第1回目の講義。今年は、他の受講生の指導、研究指導、他の職務へ支障が出ないように協力を求めます、と言う事をシラバスに記載して配布。例年は、学部の規則に従って担当教員が履修を認めないことがあることを述べていましたが、「担当教員は免疫抑制剤を服用している難病患者なので」という前置きにしました。ステロイド剤はゼロになっているから、「超危険」な状態は脱しているということも述べた。

授業自体はいつもと同じ内容。ただ、「ナノ構造中の光波の振舞いを解析したり、減少の予測をするためには、マクスウェル方程式を解かなければならない」という講義の意味の説明のところで、昨年度で期間が満了したプラズモニック・フォトニック結晶のポンチ絵を示したのは新しいこと。

更には、自分が第一級陸上無線技術士で、ある意味通信のプロだが、光通信のグループにいた頃は通信の研究には手を出さなかった。どうしても捨てられない材料研究のテーマがあったから。この4月からナノフォトニクス材料のグループに移ったので、材料研究を捨てることはなくなったので、通信系の研究に対するバリアもなくなった。という話をした。

真空中の光の速さとして、約3×1010m/sというミスをした。3×108 m/s = 3×1010 cm/sなところを、「MKS単位系では10乗で、CGS単位系では8乗・・・古い教科書を見ると混乱する」、と逆にする例を実践してしまった。良かったのは、学生が指摘してくれたたこと - comminicativeな講義となるといい。波長と周波数の関係 λ = c/f について、無線工学での便法 λ[m] = 300/f[MHz] を示したのはのは、「教科書に書いてあることは、『教科書を自分で勉強すれば同じですね』ですが、講義の意義、折角講義を聞いているんだから、その講師ならではの『あの話、印象に残るよね』てのがあるといい」のひとつ。λ[m] = 300/f[MHz] を書き換えてc = 3×108 m/sと正せ(c = 300[m][MHz])、ってことではない。

今回は、電束密度[C/m2]に関して、「磁力線の密度だ(もちろん、磁力線の本数を定義すつ単位系による)」は言わなかった。電場について、単位[V/m]から物理的なイメージが可能という話し、平行平板コンデンサーの例を出すに留めた。勾配(グラジエント)の意味の説明のところで、等電位面と電場ベクトルが直行することの例としても平行平板コンデンサーは引き合いに出した。

てんてこ舞いの中としては、無難だったであろう。講義の最初に「疲労感が・・・。ごめんなさい。」にならないことを目指したい。