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博士前期課程講義 平成29年度 講義3回目

2017年4月26日。

昨日の午前の後半は、博士前期過程の講義の3回目。身近なフラクタルの実例を実演。

液体糊に墨汁を垂らしても、フラクタルフラクタルもどきも生じない。墨汁も粘度が高いからだと予想される。墨流しは、次回の「デバイダ法」による解析の実習に使えそうなものができた。写真を撮らせ、次回にプリントアウトして持参するように指示。紙に墨汁を垂らすのは、少し難しい。撮影が難しい。つまり、垂らすとフラクタルパターンは生じるが、時間経過に伴って直ぐに鈍ってしまう。スマホのカメラを別の学生に構えさせ、鈍る前に写真を撮らせた。

フラクタルもどきでさえないが、フラクタル解析が使える例として、水と油を混ぜたものを皿に広げたものを見せた。様々なサイズの「油滴」が存在しているので、拡大縮小したときに同じパターンになるかもしれない、と思わせるもの。もしそうならフラクタルである。実際に過渡的なアイランド分布でそういうパターンは存在しても不思議ではない。理論的には、平衡二相界面は臨界点でフラクタルパターンとなる。これは、実演に先立って講義で述べた。実際のパターンを見せて述べたことは、アイランドサイズ分布という、フラクタル解析の手法が適用できること。

さて、次回も楽しく実習を行いましょう。

講義1(前期開講分) 平成29年度5回目

2017年4月25日。

昨日の午後イチは、講義1(前期開講分)の第5回目。前回にマクスウェル方程式から電磁波ー振動解が存在することーをやった。本来はその継続としてやることろだが、電磁場の境界条件についての演習を先にやることにする。従来のやり方では、境界面に電荷も電流も存在しない場合に、例えば電場が境界面を挟んで連続であることをまず複素振幅で書く。その後、その条件が振幅についての条件と位相についての条件に分離できることを説明。位相条件から反射・屈折の法則(スネルの法則)が出てきて、振幅条件から”これからやる”フレネルの公式が出てくる。従来は演習を行っていなかったので、スネルの法則についても、「位相条件からスネルの法則を導出するのは、こんなものです」という程度(積りはそうでも、いつも詳細までやってしまっていた)の紹介をしていた。

演習問題は、実質は垂直入射に関してのフレネルの公式の導出。しかし、上の振幅条件・位相条件をやっていないので、それを回避する問題設定としてある。更に、電磁波が境界面に入射し、一部が反射され、一部が透過するとしている。電磁波一般の問題としている。そして、入射波の進行方向をz方向、境界面をxy面とし、磁場をy方向と既定した。従って、電場はx方向。反射波については、進行方向が-z方向になるようにy軸を中心に回転させると、磁場はそのままだが、電場の方向は-x方向に向くということを記している。私は、単に媒質1(入射波のある側)内の電磁場は、入射波のものと反射波のものを足し合わせたもの、というだけで電場と磁場の方程式を立ててくるものだと予想していた。黒板で問題を解いてくれた学生は、何と「電場の(x成分)が正の方向を電磁波の振幅が正とする流儀」で、媒質1側の電磁場は入射波のものに負号を変えて反射波のものを加えたもの(反射波のものを引いたもの)として電場と磁場の境界条件の式を立てた。言われなくても気付いたことに驚きを隠せない。講義中でも驚きを隠さずにコメントした。

「流儀の問題」というコメント。S偏光(TM偏光)では磁場の方向が(y軸の)正の方向を光波の振幅が正で、P偏光(TE偏光)では電場の方向が(y軸の)正の方向に取る流儀もあり、その場合には反射波の電場・磁場の前に負号は付かない。どちらでもいい。ちなみに、垂直入射の場合は、S偏光とP偏光の区別はないので、電場の振幅の比は同じになるはずだが、教科書ではS偏光については、(n1-n2)/(n1+n2)、P偏光については(n2-n1)/(n1+n2)となっており、符号が異なっている(nは屈折率で、1および2は媒質を表し、透過側を2としている)。これは、流儀の問題で、どちらでも構わない。ついでに、今まではS偏光・P偏光の語を主に使っていたが、TM偏光・TE偏光の方が斜入射の場合に入射角に依存しないのが磁場なのか電場なのか(この流儀だと、光波の振幅の正の方向の基準とするのが磁場なのか電場なのか)と対応していて、本質的に見えるので、それを使うようにします、とも。もちろん、光波の場合は、電場でもって振幅を表す慣例なので、S偏光(TM偏光)の場合に電場の方向で光波の振幅の正の方向を既定するのは、それに対応している。

このように演習を終了した後、上に述べた振幅条件・位相条件の話をして、フレネルの公式へ。今では、TE偏光が(流儀の問題もなく)電場を基準にして問題を解くのが、光波の振幅の慣例とも一致しているので、TE偏光についてのフレネルの公式を導出することをレポート課題にしてきた。しかし、この演習問題のように、TM偏光の場合は電場Eを磁場Hと媒質の特性インピーダンスZで表して、H基準で(Hについて連立方程式を立てて)問題を解くのが自然であった。インピーダンスZは、どの教科書にも出ているもの(インピーダンスZでフレネルの公式を表したものは、電磁波一般に対するもので)。そこで、TM偏光の場合をレポート課題にします(更に斜入射になった場合の物理的解釈にも困難がないこともに軽く言及)、と。更には、TE偏光の場合に、E基準で問題を解く、つまりHを消去する場合は、連立方程式の係数が1/Zとなる。もちろん、そんなものは面倒なだけで本質的困難ではない、という学生はそれでいい。この中にもそのような学生はいるかもしれないが、それが著しい煩わしさになってしまう学生もいるはずである。

TE偏光に関するフレネルの公式については、一部企業秘密的なところがあるので、詳述はできない。上の段落の関係では、1/Zが係数だと間違いを犯すならば、1/Z=Yとおけばいい。Z=(μ/ε)1/2なのでY=(ε/μ)1/2である。尚、演習の最後で、Zで表したフレネルの公式を比磁性体の場合に屈折率nで表すことはやっていて、その際にn~(ε/ε0)1/2=(εr)1/2もやっている(ここで~は、非磁性の近似を意味する)。するとY~(定数)×nが直ぐ見える学生もいることでしょう。斜入射の場合に係数がYである連立方程式を書き、それを垂直入射の場合と比較し、まず垂直入射の場合のフレネルの式を書いた。ただし、時間がなかったので、振幅反射係数については、分子で添字1が先か2が先かは、各自確かめて下さいとした(TE偏光については流儀が一意なので、結果も一意で、1が先)。それと較べて、入射角のコサインと屈折角のコサインが入った場合についても各自計算して下さい、で済ませた。

既に宣言をしている、TM偏光についてのフレネルの公式の導出をレポート課題にすることについて。どちらの流儀でやるかは、採点の都合を考えて問題中に指示します、と述べている。どちらでもよいと思っていたが、教科書のE(r)/E(i)=(n2cosθi-n1cosθt)/(n2cosθi+n1cosθt)、E(t)/E(i)=(2n1cosθ)/(n2cosθi+n1cosθt)に一致する方の流儀を指示するのがよいという考え方に変わった。つまり、電磁波一般のZを使った表式から、教科書のものが導出できることまで経験させたらいい。

こうやって、記録を残しておくことは、役に立つ(既に先日役に立った)。nを使ったフレネルの公式で、nをn/μに置き換えれば、非磁性体に限定しない表現式となる。例年はこれを強調して述べていたが、今回は時間がなかった。慣用の光学材料は非磁性である。しかし、新規光学材料は非磁性に限定されない。Zを使った表式が電磁波一般のものであることも、もっと強調すればよかった。尚、講義の後片付けをしているときにその教室を次に使う建設工学科の先生と話をし、地震波に対するフレネルの公式をもう少し後の回で教える予定だと聞いた。電磁波だと横波なのでモードは二つしかないが、弾性波だと縦波もあるので、複雑なんでしょうね、とコメントを返した。更に、光学では係数は屈折率で表すのが慣例ですが、電磁波だとインピーダンスとかが本質ですよね。地震波の場合は波速で表します。そうすると、屈折率で表すのと等価ですね。という情報交換も。

演習 平成29年度3回目

2017年4月24日。

数学演習の私の担当の2回目。行列の固有値固有ベクトルの問題が二つ、ユニタリー行列のエルミート共役の微分を計算する問題、行列のトレースの問題。

最後のは、案の定、Tr(AB)=Tr(BA)の証明で和を取るときの成分の足の順が間違っている。例年試験でTr(AB)=Σi(AB)iiijAijBjiのjとiが逆になったものが頻出するので。今回は、行列の積の定義(AB)ikjAijBjkを書いて、「AとBの足の内側の方で和をとる」と強調して説明し、その問題を解いた学生に自分で訂正させた。ΣiΣjAjiBijの混乱はあり、またΣiΣjBjiAijをΣiΣjBijAjiに書き換えることについての説明はできなかった。

行列の固有値固有ベクトルの問題は、やっただけの感じが強い。一つは固有値固有ベクトルまでは求めたが、問題意識として対角化が全く意識されていない。もう一つの問題は、連結バネの運動方程式。つまり、三元の連立微分方程式について、三角関数の形の解を仮定して、固有振動数ω1、ω2、ω3を行列の(係数)固有値として求めさせるもの(実際は、三角関数の形を仮定したとき、それが非自明な解となる条件を解くもの)。一つ目のコメントは、線形(連立)微分方程式だから、独立な解の重ね合わせとして一般解が表現できることを認識して欲しいこと。つまり、cos(ωt)を仮定して固有振動数を求める問題では、必要条件だけ。sin(ωt)についても同様にできて(蛇足として、exp(±iωt)の形を仮定してもいいことも加えた)、それらの線形結合として一般解が得られるところまで行って、連立微分方程式の解として十分となる。もう一つのコメントは、必要条件・十分条件なんてことができない人はどうしたらいいか。係数行列を対角化することにより、解の形をしなくてもcos(ωt)とかsin(ωt)とかexp(±iωt)とかが得られることを説明。テキストではユニタリー行列による対角化が説明してある。それに対し、実ユニタリー行列は直交行列で、座標系の回転に相当している、と言うところをまず説明。係数行列Aを対角化する直交行列Rを見つければ、連立微分方程式md2/dt2 [x1,x2,x3]t=A[x1,x2,x3]tの右辺は、ARR-1[x1,x2,x3]tと書き換えることができ、連立微分方手式の左からR-1を掛けることにより、[x1',x2',x3']t=R-1[x1,x2,x3]tで変換された座標系においては、(RAR-1が対角行列だから)x1'、x2'、x3'について独立な微分方程式となる。

ユニタリー行列のエルミート共役の微分については、一見すると難易度不足。

さて、朝イチの演習の後は、昼のゼミを済ませた後、午後イチに講義。

地球外知的生命体とコミュニケーションできる可能性

2017年4月21日。

地球の40光年先にスーパーアース発見、生命体の証拠確認に有望視 (AFP=時事) - Yahoo!ニュース

ちょっと、びっくりですね。もし、40光年のところの生命体が知的生命体であって、知的文明が発展していたら、リアルタイムで地球外知的生命体とコミュニケーションできる可能性があるんですよ。

広い宇宙、地球以外に知的生命体は存在するでしょう。知的文明の発展も否定できません。しかし、宇宙が広すぎて、一つの星の知的文明と他の星の知的文明のコミュニケーションに要する時間は、知的文明の持続時間よりも長いことが予想される訳です。他の星の知的文明からの信号をキャッチしたときには、その文明は滅んでいる。死者からのメッセージのようになっているような、悲しい顛末が予想される訳です。

文明の持続時間内にコミュニケーションすることが困難であろうという予測に反して、リアルタイムにコミュニケーションできる可能性が出てきたんですね。自分が発した信号が40年後に他の星でキャッチされ、その返信を更に40年後に自分自身でキャッチする。驚異ですね。何十世代とかをまたいでではなく、一つの生命が送信と受信をするんですよ。

申し訳ありませんが、量的な見積りをした訳ではありません。文献調査もしていません。コメットハンターだった父が自身で星を眺めて宇宙の広さを感じ、私が聞かされた感覚でもあります。父なら何らかの計算をしたかもしれません。UFO騒ぎに対して、星図を持ち出して「あれは金星だ」って解析してましたので。

講義1(前期開講分) 平成29年度4回目

2017年月20日。

水曜の午後イチは、講義1。講義1は、月曜の午後イチと水曜の午後イチに。昨日は、講義1(前期開講分)の4回目。また昨日は、朝イチにブレインストーミングKJ法の3回目。5月に入ってから、同様なスケジュールの水曜があと3回ある。

今日からマクスウェル方程式に基づいての等方均質媒質中の電磁波(光波)の話。今日は、電荷・電流がない場合のマクスウェル方程式を解くこと。つまり、電磁波の存在。

この章の初回にどこまで進むべきが思い出せなかったので、昨年度のブログを参照。すごく役に立った。ただ、昨年度は、波動方程式 (1/v2)(∂2u/∂t2)=∇2u の変数分離解の説明に関連し、T''(t)+ω2T(t)=0 を解く演習をやられば良かった、と反省している。もう、違う演習問題にしてしまっている。それに関しては、昨年度と同じ様に、cos(ωt)、sin(ωt)が解であることは知っているでしょう、一般解がT(t)=A1cos(ωt)+A2sin(ωt)あるいはT(t)=Acos(ωt+δ)であることは知っているでしょう、で済ます。もちろん、右辺にT'を掛けると一回積分できて、それを無理やりdtとdTに分離して積分の形にして、置換積分を行うとその解が得られます、と言うことも述べる。マクスウェル方程式から波動方程式へは、例年通り。ただし、今はマクスウェル方程式という運動方程式を解こうとしている。そして、連立方程式を解くときに良くあるように、得られた解は必要条件でしかなく、十分条件については確認を行う必要がある、ということは強調する。

波動方程式 (1/v2)(∂2u/∂t2)=∂2u/∂z2 のダ・ランベールの解の後に、変数分離解に入るのも例年通り。ダ・ランベールの解は、前進波と後退波のイメージを持たせる目的。変数分離解として u(r,t)=Σω,kAω,kcos(ωt-kr+δ)・・・あ、位相項δもモードω,k依存にするるのが正確ですね・・・を書いた後、三角関数を加法定理を駆使すれば、この一般解に基づいて今後の議論を進めることはできます。中には、三角関数の加法定理の演習問題をみっちりやっていて、それのできる人もいるかもしれません、と。オイラーの公式を思い出して下さい。あるはcosθ=Re eですね。T''(t)+ω2T(t)=0 の解がcos(ωt)、sin(ωt)であることを直接代入して確かめる方法がありますね。そのときに、一回微分するとcosがsinになり、二回微分するとまたcosに戻りますね。exp(iω) を微分しても exp のままですね。ただし、係数にiが出て来ますが、といい、T''(t)+ω2T(t)=0 の解として e±iω を加える。そして、一般解としてu(r,t)=Σω,kAω,kexp[i(ωt-kr)] の形が理解できますね、と。k=(kx,ky,kz) については、u(r,t)=R(r)T(t) と変数分離したときと同様に R(x,yz)=X(x)Y(y)Z(z) と変数分離すれば、変数分離定数として出てくるとして導入済み。角振動数、波数ベクトル、波数の説明に加え、分散関係 k=ω/v についても説明。特に、exp[i(ωt-kr)] は、時間的には角振動数ωで振動し、空間的には波数ベクトルkの波であるけれども、それは必要条件に過ぎず、波動方程式 (1/v2)(∂2u/∂t2)=∇2u の解であるためには、十分条件として分散関係が成り立たなければならない、と強調。

複素振幅を exp(iω・・・) とする流儀と exp(-iω・・・) とする流儀があることについては、説明し忘れ。

その後、u(r,t)=Σω,kAω,kexp[i(ωt-kr)] の一つの成分(モードと言った方がよかたですね)を取り出して、マクスウェル方程式の解であるための十分条件を調べましょう、と。TEM波のところまで進んだ後、媒質の特性インピーダンスの話をして終り。

実は、TEMの強調に関しては反省しているところがある。光はTEM波だからマクスウェル方程式を書き換えた式(例えば、k=0)が成り立つ、という論理を行った院生がおり、私以外にもTEMを強調してている先生がいるとのことだが、ちょっと反省している、と。「TEM⇒マクスウェル方程式」ではなく「マクスウェル方程式⇒TEM」なんです。。。必要条件と十分条件は、苦手なのでしょうかね。

博士前期課程講義 平成29年度2回目

2017年4月19日。

火曜日の午前の後半は、博士前期課程の講義。昨日は、2回目。フォトニックフラクタルについて紹介。朝日新聞の第一面を飾ったのは、もう13年以上前になるんだ。

フォトニック結晶について話した後に、Phys. Rev. Lett.論文の内容を紹介。

現在、本学ではPhys. Rev. Lett.のオンライン購読はしていないようで(しているけれども制限が掛っていて見えないだけのかもしれない)、二年前の被引用数40件というのを更新できなかった。随分ショックな事実で、それが落胆すべきことであるのも話した。センセーショナルだったにもかかわらず、40件で発展が止まっていることもショックなこと。

学生が質問をしてくれたのは、良かった。一つは講義で述べた5-30GHzが測定周波数領域であることの確認だが、13GHzくらいのところで反射率も透過率もデップ(それが閉じ込めを示唆する)があることを再度示せたは良かった。その学生は、テラヘルツ光をやってるので、どれだけのダウンサイジングで閉じ込め周波数がTHzになるかについてもコメントを加える。同じ学生が、光閉じ込めって何に使えるんですか、という質問。新聞記事だったかに書いてあった「光池」を紹介。そのまま、解説(記事そのものだったかも知れません)に「光池」が書いてありました、と。電池との対比の「光池」の説明も。

講義終了後にフォトニック結晶はわかるんですが、フォトニックフラクタルはいったいどんな現象かわかりません、という追加質問。それは、直感で捉えられない現象を見つけたから、Phys. Rev. Lett.に論文が載ったんでしょう、と。高分子などでできるフラクタル構造は、フォトニックフラクタルに使えないんですか、という質問も。DLAの絵を見せて、ある構造について、この箇所では光増強が強い、ということはあるかも知れませんね。サイエンスとしては、興味深いことです。それを工場のラインに乗せて、同じものを量産するのは無理でしょう。センサーならば、使えるかもしれませんね。分波器はどうですか・・・

楽しい授業であった。

講義1(前期開講分) 平成29年度3回目

2017年4月18日。

月曜の午後イチは、講義1。昨日は、講義1(前期開講分) 平成29年度3回目。磁場Hに対する境界条件(異なる媒質の境界での磁場Hの接続条件)の後、電磁場のエネルギーについて。前者は、前回からの続き。前回は、磁束密度B電束密度D、電場についてEについて順にやった。90分だと3項目位がいいところ。今日は2項目なので少ない。これは、従来はベクトル解析の演習をやってたところ、数学演習で行うので、この講義内ではやらないことにしたため。電磁場の境界条件の演習問題をやるように変更。後ろにずらしたのは、少なくとも電磁波について講じた後の方が、後の内容とのつながりがいいから。

媒質1側の磁場H(1)と媒質2側の磁場H(2)の接続条件は、(H(2)-H(1))・t=J~ntは境界面接線ベクトル、J~は境界面での電流線密度。nストークスの定理を適用する面の法線だが、今は境界面法線n12(媒質1から2へ向く)とtnとでトリプレットを形成することが重要でt=n×n12t=n×n12を(H(2)-H(1))・t=J~nの左辺に用い、スカラー三重積の公式によって式変形すると、nが(境界面内にあれば)任意なので、n12・(H(2)-H(1))=J~が得られる。前回の(E(2)-E(1))・t=0を成分で書き下す場合には、必要条件と十分条件についての考察が必要であった。(H(2)-H(1))・t=J~nに基づいて成分の式を書く場合は、それだけでなく、tがx(y)方向の場合にnはy(x)方向なのか-y(x)方向なのかところで誤りを犯しやすい。n12の方向をz方向に取った。n12・(H(2)-H(1))=J~を成分で書き下すときは、計算を間違えなければ、左辺のx成分は-(Hy(2)-Hy(1))となり、y成分はHx(2)-Hx(1)となる。

電磁場のエネルギーについては、要はポインティングベクトルの確認(復習)。しかし、私が講義をするのだから、保存則の一般形の話から入る。例年そうしている。ジュール損失JEが出てくるので、吸い込み項(sink term)のある場合の式を書いておく。今回は、ジュール損失という言葉だけに留め、sink termの位置にJEがある電磁場のエネルギーの式を書いて、ポインティングベクトルがエネルギー流束そのものであることを説明。その後、密度量で書いたオームの法則JEを用いると、JEE2となり、これが電気回路のジュール熱W=RI2に相当することに言及。今回は、まず、抵抗Rを低効率ρ=1/σで断面積S、長さlの物質とした図を描いた。J=σEにおいて、電流密度を電流IをSで割ったもの、電場Eについてはそれが電位勾配であることから、抵抗の両端の電圧Vをlでっ割ったものに等しいことから、オームの法則V=RIを導出した。これに関しては、ここまで。平行平板コンデンサの図を描いて、U=CV2/2と電場のエネルギー密度w2E2/2についても同様と述べてこの節は終り。

時間に余裕があることは予想通り。来週の月曜に行う予定の演習の問題を印刷したものを配布して終了。

朝イチの演習と本講義間に見つけていたフォトディテクターのエラー。原因は、オペアンプの-15Vの電源のコネクターが外れていたため。片肺は、オペアンプの故障につながるが、無事だったよう。事なきを得て、よかった。