アカデミックハラスメントの定義

2017年8月4日。

山形大の学生の自殺(例えば、山形大生自殺 アカハラで提訴 | 2017/8/3(木) 21:03 - Yahoo!ニュース)、言葉がありません。

タイトルに書いたように、アカデミックハラスメントアカハラ)の定義に違和感があります。

「研究・教育で地位が上の人が行う嫌がらせ」は、アカハラの概念ができた頃は「研究・教育で立場が上の人が行う嫌がらせ」だったはずです。地位ではなくて、立場です。上の記事の下にもリンクをたどれる「NPOアカデミックハラスメントをなくすネットワーク(NAAH)」にその定義が書いてありました。探せば当初のメールのやり取りで「立場」としてある定義を探せ出せます。

私、成人スティル病という自己免疫疾患で、ステロイドの長期服用のために重篤な易感染状態でした。今は、メトトレキサートというリウマチ用の免疫抑制剤だけになってますので、以前のように「カゼを引いている方は、咳エチケットを守って下さい」と講義室へマスクの箱を持参することはしていません。しかし、インフルエンザで1週間寝込んで、体力の回復が1カ月以上掛ったことがあるので、感染症などの出停期間の厳守はお願いしています。大学は、今は出席停止だった学生に対しての個別対応はしなくてもいいという方針を出していますが、私は「個別対応はするから」と言うことで出停期間は厳守してもらっています。

アカハラの定義中の字句が「地位」か「立場」かで大きく異なります。つまり、難病患者という弱い立場の教員に対して、感染症の出停期間を学生が守らなかったら、「立場」の場合は「学生が難病患者に対してアカハラをやった」ことになるのです。「地位」の場合ですと、そうはなりません。教員が弱い立場にあろうとも、地位は教員ですから。つまり、学生は「教員という学生よりも上の立場であることを利用して、教育を受ける権利を制限された」と主張できるのです。アカハラの観点からは、このような権利の濫用は正当化されてしまいます。すると、易感染患者に対して、感染症罹患の危険性のある状態を作ったという、傷害未遂ないしは「未必の故意」の傷害という、刑法の適用によって「権利の濫用」という違法行為に対処しなくてはならなくなってしまいます。

申し訳ありませんが、NAAHのホームページで最新のアカハラの定義を確かめることはしていません。これは、私が刑法の観点から違法行為(大学が定義するアカハラに照らし合わせれば正当行為)の証拠を「これからアクションを起こす積りだが、(もし私がアそれをできない状態に追い込まれたときの)念のためにそれのコピーを預かってくれないか」と言って送付したときに、そのようなこと(訴訟や告訴など)のサポートはできない、と断わられ、コピーを破棄してもらったいきさつがあるからです。それを思い出してしまうので、NAAHのホームページを訪れることは、こころが重い。

さて、このパラグラフで思い出したことがある。それはその当時、大学の定義するアカハラ、セクハラは大学ごとに異なっていたということ。当然、NAAHの定義と大学ごとの定義も異なっていた。私の抱いた違和感は、山形大学が定義中に「地位」と書いたその感覚に対する違和感と言うことになります。今は、パワハラというカテゴリーがあるので、「立場」に基づいたハラスメントはそこに入るのかも(部下から上司へのハラスメントはそうですよね)。

もう一つ「山形大学」で思い出したことは、アカハラトラップのこと。「地位」となっているから「アカハラ」ラトラップとして成立しているように思います。上位の法に照らし合わせたら、その教員は正当化される、と言うのが私の判断です。