博士前期課程講義 平成29年度 14回目

2017年7月18日。

自己アフィンフラクタル。まず、ブラウン曲線から。1次元のランダムウォークを時間を横軸に、位置を縦軸にプロットしたものだから、新しいものではない。ハースト指数Hを導入するが、これもランラダムウォークについて<R2(t)>∝tからH=1/2は自明。H≠1/2のブラウン曲線である分数ブラン曲線については、レビーフライトで<R2(t)>がtの1でないべき乗に比例することをやっているので、「済」として説明。その後、自己アフィン指数を定義。

イーデンモデルの成長界面がブラウン曲線と同じ自己アフィン指数であることを説明。証明はなし。イーデンモデルは、説明していなかったので、説明。次にバリスティックモデルの成長界面。バリスティックモデルは、レピーフライトのところで説明済みだが、再度簡単に説明し、イーデンモデルの成長界面と同じで、ブラウン曲線と同じ自己アフィン指数であることを説明。これも証明はなし。バリスティックモデルについては、シミュレーションの図から一つの種から成長したクラスターが認識できる。このクラスターは、コンパクトで、クラスターに含まれる粒子数をs、クラスターの高さをh、クラスターの幅をwとすると、クラスターの面積はA(s)~h(s) w(s) ~ sととなる。hの自己アフィン指数νh=2/3とwの自己アフィン指数νw=1/3の間にνhw=1が成り立つ。シャイデッガーの河川網モデルの説明をし、これもイーデンモデルおよびバリスティックモデルと同じことを説明。証明はなし。イーデンモデルでも一つの種から成長したイーデンクラスターが定義できて、バリスティッククラスターと同じであることにも言及。

次に山岳図形へ。つまり、ブラウン曲線の横軸を二次元に拡張したもの。xz面やyz面、あるいはそれらをz軸周りで回転させた面で切断したときの断面がブラウン曲線になる。これが、分数ブラウン曲線になるように拡張する。等高線を定義、一番大きな島に対するz=0(海面)の等高線が海岸線。海岸線のフラクラル次元Dcに加え、全等高線に対するフラクタル次元Deを導入。島のサイズ分布の指数としてコルチャックの指数ζを定義。ζ=De/2は証明。

最後に、既に初めの方で紹介したゲルの切断面の自己アフィンフラクタル解析について紹介。少し進めたが、時間が掛かりすぎて中断中である。断面に出てくるパターン自体の異方性が対象だったため、そこに自己相似フラクタルの解析ソフトを使えなかった。