講義2 平成29年度 第2回目

2017年6月14日。

夕方に講義2。今日は第二回目。昨年度の記録を見直すのは、役に立つ。一杯までやらないようにしないと。前回も、補講の調整に費やした時間の分だけ時間オーバーしているので。ただし、先週から体調不良であることは、明言しなければならない。顔面右半分が痛くて、話づらい(先週から頭が重くて話しづらかった)ことを言った後、「ご協力お願いします」です。具体的には、補講等についてです。私は自分が正規のコマ以外に行う補講に関しては、他の講義等につかえないように最大限の努力を払います。その逆、私が正規のコマに講義を行っているものに関しては、私の瑕疵によらない場合は、変更等を行いません。例外は、学生自身の体調不良や自身および身内の事故の類と・・・(・・・のところは今日は述べない)。

さて、まず前回遣り残した体膨張率と定温圧縮率についてやる。これは、平衡状態の物質については、定温圧縮率は必ず正だが、体膨張率については、例外的に負の物質が存在することを言えてよかった。今日の最後の気体の液化のところで、不安定状態について言及できた。

まずは初等気体分子運道論。いつも通りにPV=(1/3)Nm<u2>を導出する。uは分子の速度。これも例年通り、「運動量変化=力積」を途中に挟んでいる。導出したベルヌーイの式と理想気体の状態方程式PV=nRTから、運動エネルギー分配則を出す。分子を質点とみなすとを最初に言うべきだと気付いたのは、次のファンデルワールス状態方程式に進もうとして。

ファンデルワールス状態方程式は、「気体分子運動論では1分子が壁に衝突するときの運動量変化の計算を単純に全ての粒子について加え合わせ、理想気体の状態方程式について考察した。つまり、粒子同士の衝突も粒子間の引力も考えなかった。さて、それらの影響を考慮に入れると、理想気体の状態方程式PV=nRTはどのように修正されるであろうか?」と導入を行った。粒子の大きさの効果として、単に粒子が自由に動ける範囲が減ることと説明。そして、これは簡単と述べ、V→V-nbと書く。気体分子運動論のところで、粒子数Nとモル数nの関係はやっている。自由に動ける空間の現象の大きさは、粒子数に比例する。(自由に動ける空間の減少に関しての)有効的な粒子の体積とNを掛けたもの。と、説明した後、nに比例するからnbと書けるとした。引力の効果は、壁に粒子が衝突するときに、速度が減速されること、それによって圧力Pが減少する、と述べる。一つの粒子が減速される度合いは、周囲にある粒子の数に比例する(それを説明する図を描く)。そしてそれについて∝n/V、単位体積あたりの粒子数に比例する、と述べる。壁に衝突する粒子の数は、これも同様にn/Vに比例する。そこまで述べて、P(V-nb)=nRTをP=nRT/(V-nb)と変形してから、P=nRT/(V-nb)→P=nRT/(V-nb)-a(n/V)2を書く。[P+a(n/V)2](V-nb)=nRTまで書いて、次へ。

気体の液化。体膨張率・定温圧縮率のところで、体積変化について少し触れているので、それを前提にして「ファンデルワールス状態方程式は単に理想気体からのずれを表すだけでなく、何桁も体積が変わる気液相転移をも記述するもの」と導入を述べる。まず、PV=nRTのグラフを描く。その後、ファンデルワールス状態方程式はどうなるでしょうか、と述べる。横軸がモル体積Vm=V/nで縦軸が圧力P。少しミスをしたが、[P+a(n/V)2](V-nb)=nRTをまず[P+a(1/Vm2)](1-b/Vm)=RT/Vmと変形し([P+a(1/Vm2)](Vm-b)=RTの方がよかったかも)、Vmが十分に大きいときは、右辺のカッコ内の第二項が第一項に較べて無視できて、理想気体の状態方程式に一致することお述べる。次に、消さずに残していたP=nRT/(V-nb)-a(n/V)2を使って、高温では-a(n/V)2が無視できて、P(V-nb)=nRTと双曲線を横に移動したものになることを述べる。さて、すると低温ではどうなりますか、と言うことになり、低温で気液相転移が起きることを説明します、と。Vmで書いたファンデルワールス状態方程式の分母を払い、三次方程式であることに言及。一般に三次方程式は3つの解を持つ。それが低温で、高温では解の数が一つになる。P-Vm図に一つに圧力Pに対し3つのVmが存在するように点を描き入れた後、大きなVm理想気体になるとして描いた線を延長するように、横向きのS字を含む曲線を書き入れる。その後、マクスウェルの等面積側を説明。最後に、横S字型と単純な双曲線の境界の温度という導入で臨界温度Tcを定義し、臨界点を求める方法を説明する。教科書は三次方程式が三重解を持つ条件として臨界温度Tcを出しているが、一般には三次方程式になるとは限らないので、(∂P/∂V)=(∂P/∂V)=0によってTcmの解が臨界体積Vcで、相当する圧力が臨界圧力Pc