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講義1(前期開講分) 平成29年度11回目

2017年5月18日。

昨日の午後イチの講義の記録。まず、前々回の講義の些細なミス二つの訂正のコメント。そのうちの一つは、今回の講義の主題のフラウンホーファー回折とフレネル回折の出発点の式を記すもの。尚、今後は今回の講義以降は、積分の前の変数をCとしてしまって問題にしないので、傾斜因子を2で割るかどうかは影響して来ない。また、フーリエ変換の演習問題のプリントと前回の試験に関して、「正解はAですが、Bと書いたものも正解とします」というプリントも配布。後者に関しては、講義で口頭説明はしないと明記。

さて、フーリエ変換の演習問題を配ったのだから、回折の計算がフーリエ変換になることを示すのが今回やることなのはわかるでしょう。既に開口の中心と光源Qの距離R0と開口の中心と間測点の距離Rは、前々回に導入しましたね。回折積分フーリエ変換になるためには、遠視野の条件R0>>λ、R>>λより厳しい条件が必要となります。その前に、開口上を動く成分変数で面積分を行うと観測面上の座標の関数としての振幅が得られることを表すのに便利なように座標の取り方の変更をしましょう。開口の中心をO(0,0,0)、開口面上の点をX(ξ,η,0)、観測点をP(x,y,z)としましょう。R,R0,r=XP,r0=XQをこれらの変数で表した後、R,R0が大きいとしてr,,r0を展開。ここで、exp[ik(r+r0)]の中の、例えばkrについて考えると、k=2π/λなので、kr=kR+...の次の項は分母にλとRの積が現れ、遠視野条件で小さくなるλ/Rのような量ではない。開口の大きさDを導入して(-D<ξ,η<D)、少し誤魔化して、D2/λR<<1がkr=kR+...の高次が無視できる条件だという。ξ,ηの1次までで近似できる場合をフラウンホーファー回折といい、それでは不十分で2次まで必要となる場合をフレネル回折といいます。英語だとR>>D2/λはフラウンホーファー条件というように訳せる語になっていますが、日本語ではフラウンホーファー回折の条件という語になっているかもしれません。フラウンホーファー条件もRが十分に大きい条件ですが、遠視野条件が一般的であったのに対し、フラウンホーファー条件が破れる光学系は簡単です。

次回以降いろいろな実例を扱いますが、学部学生だからということで、フラウンホーファー回折に限定して計算を行います。これは、平均レベルではそんなところという以外に、フーリエ光学という一つのメジャーな分野があることもあります。フレネル回折が前面に出てくるような光学系は、少し特殊な気がします。また、レンズを使っ焦点面で結像させれば、コンパクトにフーリエ光学系を実現できますので。そのようなレンズをフーリエ変換レンズといいます。

30分程度残して、演習を。残念ながら、時間内に演習を黒板でやってくれる学生は出なかった。どの問題をレポートにするかを決めて終わり。