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演習 平成29年度3回目

2017年4月24日。

数学演習の私の担当の2回目。行列の固有値固有ベクトルの問題が二つ、ユニタリー行列のエルミート共役の微分を計算する問題、行列のトレースの問題。

最後のは、案の定、Tr(AB)=Tr(BA)の証明で和を取るときの成分の足の順が間違っている。例年試験でTr(AB)=Σi(AB)iiijAijBjiのjとiが逆になったものが頻出するので。今回は、行列の積の定義(AB)ikjAijBjkを書いて、「AとBの足の内側の方で和をとる」と強調して説明し、その問題を解いた学生に自分で訂正させた。ΣiΣjAjiBijの混乱はあり、またΣiΣjBjiAijをΣiΣjBijAjiに書き換えることについての説明はできなかった。

行列の固有値固有ベクトルの問題は、やっただけの感じが強い。一つは固有値固有ベクトルまでは求めたが、問題意識として対角化が全く意識されていない。もう一つの問題は、連結バネの運動方程式。つまり、三元の連立微分方程式について、三角関数の形の解を仮定して、固有振動数ω1、ω2、ω3を行列の(係数)固有値として求めさせるもの(実際は、三角関数の形を仮定したとき、それが非自明な解となる条件を解くもの)。一つ目のコメントは、線形(連立)微分方程式だから、独立な解の重ね合わせとして一般解が表現できることを認識して欲しいこと。つまり、cos(ωt)を仮定して固有振動数を求める問題では、必要条件だけ。sin(ωt)についても同様にできて(蛇足として、exp(±iωt)の形を仮定してもいいことも加えた)、それらの線形結合として一般解が得られるところまで行って、連立微分方程式の解として十分となる。もう一つのコメントは、必要条件・十分条件なんてことができない人はどうしたらいいか。係数行列を対角化することにより、解の形をしなくてもcos(ωt)とかsin(ωt)とかexp(±iωt)とかが得られることを説明。テキストではユニタリー行列による対角化が説明してある。それに対し、実ユニタリー行列は直交行列で、座標系の回転に相当している、と言うところをまず説明。係数行列Aを対角化する直交行列Rを見つければ、連立微分方程式md2/dt2 [x1,x2,x3]t=A[x1,x2,x3]tの右辺は、ARR-1[x1,x2,x3]tと書き換えることができ、連立微分方手式の左からR-1を掛けることにより、[x1',x2',x3']t=R-1[x1,x2,x3]tで変換された座標系においては、(RAR-1が対角行列だから)x1'、x2'、x3'について独立な微分方程式となる。

ユニタリー行列のエルミート共役の微分については、一見すると難易度不足。

さて、朝イチの演習の後は、昼のゼミを済ませた後、午後イチに講義。