博士前期課程講義 平成29年度2回目

2017年4月19日。

火曜日の午前の後半は、博士前期課程の講義。昨日は、2回目。フォトニックフラクタルについて紹介。朝日新聞の第一面を飾ったのは、もう13年以上前になるんだ。

フォトニック結晶について話した後に、Phys. Rev. Lett.論文の内容を紹介。

現在、本学ではPhys. Rev. Lett.のオンライン購読はしていないようで(しているけれども制限が掛っていて見えないだけのかもしれない)、二年前の被引用数40件というのを更新できなかった。随分ショックな事実で、それが落胆すべきことであるのも話した。センセーショナルだったにもかかわらず、40件で発展が止まっていることもショックなこと。

学生が質問をしてくれたのは、良かった。一つは講義で述べた5-30GHzが測定周波数領域であることの確認だが、13GHzくらいのところで反射率も透過率もデップ(それが閉じ込めを示唆する)があることを再度示せたは良かった。その学生は、テラヘルツ光をやってるので、どれだけのダウンサイジングで閉じ込め周波数がTHzになるかについてもコメントを加える。同じ学生が、光閉じ込めって何に使えるんですか、という質問。新聞記事だったかに書いてあった「光池」を紹介。そのまま、解説(記事そのものだったかも知れません)に「光池」が書いてありました、と。電池との対比の「光池」の説明も。

講義終了後にフォトニック結晶はわかるんですが、フォトニックフラクタルはいったいどんな現象かわかりません、という追加質問。それは、直感で捉えられない現象を見つけたから、Phys. Rev. Lett.に論文が載ったんでしょう、と。高分子などでできるフラクタル構造は、フォトニックフラクタルに使えないんですか、という質問も。DLAの絵を見せて、ある構造について、この箇所では光増強が強い、ということはあるかも知れませんね。サイエンスとしては、興味深いことです。それを工場のラインに乗せて、同じものを量産するのは無理でしょう。センサーならば、使えるかもしれませんね。分波器はどうですか・・・

楽しい授業であった。