博士前期課程講義 平成29年度1回目

2017年4月11日。

この講義は、ダブルディグリー(海外の提携大学の学位と本学の学位の両方の同時取得)のコース講義となっているので、本来は英語で講じなければならない。「開講年度の数字が奇数のときに英語で講ずることになっています。偶数年次に日本語で補講を行うことを計画しています。」という私の親切に対し、かつて「どうしても今年度に日本語でやって欲しい」といわれ、受講生の多くがそうだということで、嘆願書でも出てきたら応じざるを得ないと応えたことに対し、それに等しい形に持っていかれました。つまり、ダブルディグリー(DD)を学生に崩壊させられました。

更に、この科目は「コンピュータ工学系」とかいう3つのコースの共通科目にもなっています。ところが、私の所属するマスターのコース以外の二つのコースの時間割表には記載されていません。これも崩壊しているんでしょうかね?

以前は、半分は材料系への応用を観点に置いた統計力学・熱力学、もう半分は工学基礎としての統計力学・熱力学ということを宣言していました。それが、「コンピュータ工学系」の共通としては不適切だったのかもしれません。工学基礎としての授業はやります - DD科目としても適切かと思います。材料系の統計力学・熱力学もやります - 「コンピュータ工学系」の共通科目にはしませんし、DD科目にもしません。実は、今が機会なので、担当者に伝えました。

さて、講義内容ですが、「フラクタル」です。ゲル、ポリマー等の網目構造を解析するために必要だったという、自分の需要から、この内容にしています。フラクタルは、極力避けるようにしてきました。それは、取り留めたがないからです。それを知らない方は、平気でフラクタル様になる条件で結晶成長・材料プロセス等を行います。避けようと努力してきたこことの一番は、X線。二番は真空。これらは、漏れが起きると取りとめがなくなる。

今日はイントロですが、ある程度の「絵」を見せます。分数の次元、自己相似性というキーワードは出します。それが、イントロに相応しいと思います。

履修者名簿を見ていて、高分子(合成)系の学生が履修しているのかな、と思いましたが、違ったようです。また、フローリーの教科書を使った講義があったはずなので、高分子の広がりのフローリーの指数の例を出しましたが、聞いたことがないようでした。