導入教育/創造科目 平成28年度1ラウンド目第2回

2016年10月21日

本日の内容は、昨年度まで行っていたものと同じ。ただし、やり方を「演習」ぽくした。つまり、宿題とせずに、その場で穴埋め式の「演習」を解いて、答を出すようにした。内容は、乾燥コロイド結晶の色からコロイド粒子の粒径を見積もるもの。

TAがいないところ、化学合成系の研究グループの(取りまとめの先生の)学生がボランティアで助けてくれ、また計算機実習のテーマを一緒に担当している先生と今年度から同じグループになったところの先生が助けてくれました。TAなしで教員1+技術職員2で行うのは、大きな負担で、完全な「人員配置ミス」です。取りまとめの先生とかの責任を問うようなものではありませんが、このような「ウェット」なやり方は、私の感覚とマッチするところで、非常に助かります。

今回は事前に名簿/グループ分けを済ましていたにもかかわらず、リストから抜ける学生が出たことは「不思議」。お陰で、班の数が11とひとつ増え、駒込+ピペットが一組不足することに。コロイド分散液のサンプルは、全く異なる事情でひとつ追加したので、ちょうど11個。

スライドガラスの上でコロイド分散液を乾燥させるのに時間が掛かるのは、今までの毛経験で分かっている。そこで、まず、手引書+穴埋めの計算シートと配布し、スライドガラス上に分散液を垂らすことをやらせる。もちろん、液が厚すぎると乾燥に1時間以上掛かるので、私と技術職員の方2名を中心に適当な分散液の厚さの指導をして回る。適宜水を差して濃度の調整も行う。

乾燥させながら、光の色と波長、ブラッグ反射、面心立方格子の話をする。光の色と波長については、「ま、こんなもんです」って感じ。ブラッグ反射については、高校の物理でやっているでしょう、という問い掛けから。光の場合、面間隔dに屈折率nが掛かっているのが違い。これは、屈折率nの媒質中では、定規で測った長さにnを掛けたものが光にとっての長さ(光路長)になる、と説明。面心立方格子は、高校の化学でやっているでしょう、と。お互いにグループの中で教え合って下さい。それで不十分ならば、助けに来てくれている先生が教えてくれます。と。

濡れの悪いケースに対して、悪戦苦闘して乾燥コロイド結晶を作製し、反射される色の観察まで持っていった班は、それなりに「困難解決」の満足感はあったよう。

最終的には、半分くらいの班から「粒子径がいくついくつになりました」というのを言ってもらい、黒板に表を作ることができた。例年は、宿題にしていたが、それに比べ「よくできた」、という感じ。スペクトロメーターを使っていないから、どの値が正解だ、というのはなく、成功です。