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講義2 平成28年度第5回目

2016年6月24日。

今日は、演習をやってから、熱力学第2法則へ。第2法則が熱力学の魂。カルノーサイクルをやって、熱力学第2法則(「トムソンの原理」と「クラウジウスの原理」まで)、可逆過程を不可逆過程まで。その前に・・・講義開始時に疲労困憊。最低の講義。

熱力学第2法則は、「第二種永久機関は存在しない」というオストワルトの原理も自然に含む。第2種永久機関を言うからには、第1種永久機関も言わなければならない。実は、第1法則の範疇に含まれる第1種永久機関は、まだ説明していない。演習終了後に、「第2法則が熱力学の魂」と並行して、永久機関の研究の「産業的」な点を述べる。騙し絵の第1種永久機関の話しは、絵が下手なのでしたくなかったが、やって後悔。自由膨張の不加逆性は、イントロとしてよいと思う。あらかじめ、「第2法則において、エントロピーという完全に新しい量を導入します」との宣言もする。第1法則の範囲の事項で明確に説明していないことがもうひとつ。第一法則の表式における熱と仕事の符号を、系の内部エネルギーが増加する方向を正に取ることを言っていない。つまり、「系に流入する熱」「系がなされる仕事」である。これは、サイクルを考える場合には例外的にエネルギーの流れる方向に矢印をつけて表すが、それ以外は暗黙に系に向かって矢印がついているものとする、問うようなもの。

イントロの後にカルノーサイクルに入る。講義では、「きれいに」行うことにしている。しかし、熱力学で初学者がつまづくのは、どれが独立変数でどれが従属変数かの区別がわからなくなること。かつては、それをフォローしながらやったこともあったが、コメントのみ。第2法則のイントロで行うカルノーサイクルは、「理想気体を作業物質として用いた」が頭につく。そして、最終的には熱効率が熱源の温度だけに依存する結論に至る。カルノーサイクルが可逆サイクルであることも、ツボなので、触れる。ただし、カルノーの定理は、次回の項目。時間がなくて、断熱過程の計算を省いてしまった。

熱力学第2法則として、「トムソンの原理」と「クラウジウスの原理」および「オストワルトの原理」の前に、ジユールの熱の仕事等量の実験の逆が起きないこと、熱拡散の不可逆性、物質の相互拡散の不可逆性、化学反応の不可逆性の例も出す。トムソンの原理とクラウジウスの原理の等価性は、論理学的な色彩が強いが、「これぞ熱力学」と言うもの。これに関しての私の言葉は、「熱力学は思索の学問」。

不可逆過程に関しては、私ならではの表現をしている。外界まで含めて全ての状態を本に戻すことができるか否かが可逆・不可逆の基準。最終的には、熱力学では「準静的過程=可逆過程」である、ということ。これは、現実世界では(摩擦の存在する世界では)、可逆過程は存在しないことを意味している。私が、ICUで3日間の昏睡から奇跡的な生還を果たした者が講義をするのだから、「全ての過程が不可逆だと言っても、いろんな度合いがあるんだよ」との付加的コメントを行うのがサービス。「外界に変化を残してもいいから、系の状態を元に戻しなさい」というようなことができるかどうか。つまり、回復不能な後遺症、「一般でいう」不可逆な変化が心身に残ることがある。人生を大切にしなさいよ。疲れてしまって、良くない。学生も疲れている。梅雨と夏が1日のうちに何回も切り替わるからか。