講義1 平成28年度第9回目

2016年5月13日。

例年通り、まずキルヒホッフ近似を用いて回折積分を書き換え。その後、開口面に垂直にz軸、開口面内にxy面をとって少し具体的に式変形。その後、開口面と観測点Pの距離および光源Qと開口面の距離が光の波長に較べて十分長いという近似を行い、被積分関数を「傾斜因子」×exp[ik(r+r0)]/rr0の形に変形(rは開口上の点X(x,y,z)と観測点Pの距離XP、r0は開口上の点X(x,y,z)と光源Qの距離XQ)。

傾斜因子と分母のrr0をそのまま積分の外に出している教科書に表記が気に入らない。開口の中心をX0として被積分関数の分母でrをR=X0P、r0をR0=X0Qで近似する、として積分の外に出す。同様に「傾斜因子」についても、本来は(x,y)の関数だが開口の中心によるもので近似と。今までは、教科書の説明の「指数関数の肩に乗っているr+r0に対し同様な近似はできない。なぜなら、指数関数によって少しの変化が増幅されているから。」と言うようなもので済ませていた。今回は、それに加え、波数k=2π/λで波長λが数百ナノメーターなので、波数が大きな数になってるという説明を加える。これは、光学系を組むときに、光源と開口の距離や観測点と開口の距離が数メーターとか数センチなのに対し、波長λが数百ナノメーターであるという、一般的な条件である(ik-1/r~ikおよびik-/r0~ikとコンシステント)と。

これで、観測点Pでの振幅がuP∝∫∫exp[ik(r+r0)]dxdyと、フーリエ変換に結び付けられそうだと思うでしょう。次回は前半の試験で、次々回に「観測点での振幅が、開口部で1、それ以外で0となる開口関数f(x,y)のフーリエ変換となる条件」をやります。それをやってから、フーリエ変換の演習問題をやります、と予告。途中でフーリエ変換の演習問題を配布したが、余りいい休憩にならなかた。自分自身、「傾斜因子」を説明する図は”グチャクチャ”であった。

疲れたのは、講義前に超純水装置の移設を業者に方にしてもらうのに立ち会ったことも会ったのかもしれない。一昨日よりも昨日はましであったが、今日は昨日よりもまし。