ハゲタカ出版社(3)

2015年12月14日。

ハゲタカ出版社についての記事についてのブログのその3。「potentially predatory」についての二回目。今度は、そのリストを示す。

scholarlyoa.com

自分が投稿した論文の出版社がリスト中にあって焦った研究者は多いであろう。これは、既に最初に書いた。もっとあおざめるのは、自分がそのような雑誌の編集局に名を連ねている様な場合であろう。また、行き過ぎた業績主義の話になるが、自分が論文を既に出版してしまっていた場合はお咎め無しで、以降に出版した場合は枚マナスポイントだが、「ハゲタカ出版社の出版する雑誌の論文刊行に携わっていた」から懲戒だ、などとなることは恐ろしい。私がアカハラに関して何度か述べていた「スケープゴートにされる」というものかも知れない。

前回に続いて、また具体的に名前を出します。はFrontiresというオープンアクセスの出版社がNature Publushing Group (NPG)に買収されたという記事です。一つは、既に前回述べたように、NPGだって「稼ぎたい」んだ、ってこと。

もう一つは、やはりリストはpotential predatory publishersのリストに過ぎないとうこと。potentialということで、潜在的にそのような方針に乗っ取られてしまう可能性のある出版社をリストしている訳。また、出版社がハゲタカの方針であっても、雑誌がその方針に乗っ取られてしまうとは限らない。後者が重要で、前回は著者が気を付けるべきだとの指摘をした。編集に関わっておられる方は、それにも増して、出版社のハゲタカ方針に操縦されてしまうことのないように。

リストの作者のコロラド大学の図書館司書のJeffrey Beallさんには、本来ならば単にpotential predatoryであるに過ぎないもかかわらず、このリストに乗っているために、ハゲタカのレッテルに従うしかなくなってしまうケースを排除することに力を尽くして頂きたい。尚、potential predatoryなジャーナルのリストと出版社のリストに齟齬がある様に見えるので、お互いにフィードバックを掛けならが、更新をして頂きたい。

具体的な出版社名を出したので、ついでにInTechについて言及。リストではInTech Openとなっいるが、同じurl。InTechから出版の本のチャプターを執筆した研究者は多いのではないだろうか? 国際会議プロシーディングがInTechから本として出版され、チャプターを執筆、というケースもあるよう。まず、論文とこれらは区別すべきだと思う。前者について言及。レビュー的なものを書きたいが、自分で一冊の本を書くのは大変だという場合、チャプターとしてそれを出版するのは、いいでしょ。一般の雑誌のレビューセクションにレビュー論文を載せられれば、もちろんそれに越したことはない。そして、その雑誌が「レビュー論文は、無料でオープンアクセスオプションが付きます」ってしていれば、尚良い。そこまでうまい話がタイミングよく来るとは限らない。チャプター執筆の誘いでも、タイムリーならラッキー。そうでなければ、レビュー的な内容をオープンアクセス誌にって考えても当然かな(この場合も、あらかじめ掲載論文を十分に吟味する必要はありますね)。後者については、どうだろう。招待講演だったら出すべきという考えもある。出版社が国際会議のスポンサーの場合は・・・、など多様なケースが考えられる。