講義2 平成27年度14回目

2015年7月24日。

部分モル量、理想希薄気体、ヘンリーの法則

部分モル体積Viを定義してその性質V=Σi niViを説明。同次式に関するオイラーの定理の適用の復習としての意味もある。化学ポテンシャルのについは同じ形式の式に、オイラーの関係式と呼ばれる関係式がある訳で、その復習という意味。「オイラーの関係式を導出と全く同じである」とはやらない。部分モル内部エネルルギーについても、式変形からやる。これは、オイラーの関係式を内部エネルギーをベースにしてやっていることからも意味がある。部分モルエントロピーその他については、同様にで済ます。

理想希薄気体は、RT ln xiの形は直ぐに受け入れられるように進めている。μi(T,P,xi) = C + RT ln xiの定数Cの問題。希薄溶液の場合は、溶媒と溶質の区別が付く。そして、溶媒と溶質でCの意味が異なる。μi(T,P,xi) = μi*(T,P) + RT ln iかμi(T,P,xi) = μi(T,P) + RT ln iか(プリムソルが打てないので■で代用)。(あ、前回のラウールの法則のところ、純物質の平衡蒸気圧(飽和蒸気圧をPi*でなくをPi0と表した(「平衡」を明示したかった)こととの対応だと、μiは標準圧での値μi(T,P)と混同するので、記号を変えるべきですか・・・その旨注を述べ、今回はこのまま進める)。溶媒については、実際にx溶媒→1の極限が取れて、C = μ溶媒*(T,P)と決まる。理想溶液である。溶質については、x溶質~0の条件が外れると「混合のエントロピーの効果のみが残る」というのが破れるから、溶媒→1の極限をとってC = μ溶質*(T,P)とはできない。しかし、定数であることは確かなのでμ溶質(T,P)と書く。化学ポテンシャルμ溶質(T,P,x溶質)のln x溶質に対する変化をグラフにしたものをμ溶媒(T,P,x溶媒)対ln x溶媒と比較。μ溶質(T,P,x溶質)のln x溶質に対する線形関係式をx溶質→1まで延長するとμ溶質(T,P)が得られるが、実際のμ溶質(T,P,x溶質)においてx溶質=1としたものμ溶質*(T,P) ≡ μ溶質(T,P,1)とは一致しない。

細かいが仕方ない。ところが、ヘンリーの法則になると、この細かいところは無関係。つまり、μi(T,P,xi) = C + RT ln xiだけで十分なんですね。ラウールの法則と違って、分圧と溶液中の溶質のモル分率の間の比例関係、Henry's law constantをそのままにしておくので。

活量をやる場合にCをどうするかが問題になる。これは、次回の事項である。