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博士前期課程講義 平成27年度 講義12回目

2015年7月7日。

各種のフラクタル次元の測定法。ボックスカウント法は、済み。

スケール変換法は、相似次元を求めるときに使ったもの。ただし、一般のd次元中のパターンについては定式化していない。が、カントール集合、コッホ曲線、シアピンスキーガスケットとその変種および拡張、メンガースポンジに対して行ったのをまとめただけ。

視野拡大法・質量の動径分布。数学的に厳密に定義されたフラクタルについては、スケール変換法の逆になる。一般には、質量の動径分布という解析となる。解析するおパターンを質点の集合とみなすとこうなるが、ユニットに質量を対応させる必然性はない。つまり、質点の質量を1とする数え方をすれば、ユニット数を勘定すること等価である。スケール変換の逆ならば相似次元を求める方法となる。質量の動径分布の解析という一般化でそれがはっきりしない(少し考えれば、当然か - そして、少し考えれば、ハウスドルフ測度と関係付けられないのも当然ですね)。

回転半径法。形式的には、質量の動径分布関数による解析で動径の値を回転半径に固定したものになっている。回転半径を用いた解析は、パーコレーションのところでやっている。様々な回転半径のクラスターに渡って平均をとることがポイントであろうか。また、DLAなどの成長するパターンについては、時間を追っての平均が種々の回転半径に渡る平均になっている。注としては、成長と共にクラスターは「なまる」ことである。エッジ拡散によって、早期に形成された樹枝状パターンは「なまって」しまうのが事実である。平均操作が事前に入ることを理由に、ボックスカウント法よりも優れているとコメントしたている教科書あり。様々なサイズの「なまり」がないクラスターが多数存在している場合は、そうだとは思う。しかし、ボックスカウント次元は、ハウスドルフ測度と関係付けられる量であることを忘れてはならない。

密度相関関数法。相関関数がC(r) ~ rと振る舞う場合にフラクタル次元がD=d-αと表される、というものである。dは空間の次元である。C(r)が「ある点に粒子があった場合に、そこから距離r離れた場所に粒子を見出す確率」であるという性質から、∫RgC(r)ddr ~ Nとなる。ここでRgは回転半径である。フラクラル次元のがDであることから右辺はN ~ RgDとなる。一方、左辺をC(r) ~ rを用いて評価すると∫RgC(r)ddr ~ Rgd-αとなる。これからD=d-αが導出できる。忘れていけない注意点がある。それは、相関関数の冪関数の振舞いは、臨界点のみに限られることである。臨界点以外ではC(r) ~ (1/rd-2+η)exp(-r/ξ)と振舞う(既出)。尚、自己相似性を有する場合にC(r) ~ rの振舞いは出てくる。つまり、スケール因子εでスケール変換すると、自己相似性からC(εr)=f(ε)C(r)となるはずであるが、この関数方程式を満たすのがC(r) ~ rであるというのである。具体的には、この関数方程式をεで微分してからε→0として、Cの微分方程式にすれば良い。「相関関数の冪関数の振舞いは、自己相似性(=フラクタル構造)からの帰着である」ということである。

サイズの累積分布。これは、フラクタル構造以外にも有用な「フラクタル的解析」である。

その他役に立ちそうなものとして、有限サイズスケーリングとくりこみ群の考え方。前者は、パーコレーションのところでやってはいる。後者については、文字通り考えが重要であることを紹介。特に、自己相似パターンならばくりこみ変換で不変であること。動的スケーリングという言葉も紹介。

梅雨で気分も晴れないのであろう。学生の表情も浮かない。今まではフラクタル解析は避けて通ってきたが、どうももうそうは行かない。それなら、知識やノウハウを学生と共有しよう。というのが本年度の内容をこれに決めた理由である。受講生の中に私の指導学生はいない。そんな中で浮かない顔をされると、こっちも滅入ってくる。体力がないと、一度夏の陽気になってから冷える、梅雨冷えのようなのはこたえる。昨年は、台風が来て気温・気圧が低いときは、体の力が抜けてしまってどう仕様もなかった。ステロイド服用者は、同様な訴えを良くしていますね。

さて、午後はゼミであったが、学生が就活で欠席で、4年生1人に対して講義。数学の苦手な学生にとっては、「複素振幅」の話に疲れ果ててしまったという感じ。