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サービスという商品の品質管理と「工学」倫理

社会 教育 一般

トピック「ゴールデンウィーク」について

2015年5月3日、憲法記念日です。

見掛け上は憲「法」の系統のコメントにも思えますが・・・

「工学」倫理の範疇ではありますが、むしろ「学生生活について」拡大版ですかね。

さて、大手通信会社の顧客サービスのbad caseに当たってしまいました(正確には、カミさんがハズレくじに対して、対処をしています)。

さて、通常の製品の品質管理は、品質のゆらぎが平均から3σ以内ならば使用に支障がないようにされています(生命に関わるような場合は6σ)。もちろん、これは過「『工学』倫理の授業」的なレベルの話です。正規分布を仮定すると、3σを外れるケースは100件に1件出現するので、「当社はブランド名がありますので、そんなゆるい管理はしていません」と回答されることもあります。工場見学へ学生を引率して連れて行ったときに、責任者からそのような話を聞くと、大いに安心します。

製品購入の際に「『不良品を交換してもらったら、また良品だった』って話を聞くことありまね。3σで管理していた、100人に一人は不良品が当たるので、『不良品が当たった』ってのは、そんなに珍しい話ではないはずです。繰り返し不良品を掴まされるのは100×100分の1なんですが・・・」「レアケースに当たると、被害感情が大きくて、話に尾びれが付きますから・・・」という会話をしました。

あれ、100×100=10000って、一万! 日本における成人スティル病の患者数は約4800人(特定疾患の認定範囲拡大前の統計では約1100人)。日本の人口を1億として、5千÷1億で見積もると、1/20000。ババくじダブリングの確率1/10000の半分。同じオーダーと見る方がいいか。

少し契約の話を。不良品が当たった場合、実害を補償してくれる ないしは 現状復帰をしてくれれば十分だと思います。日本では、米国と違って、懲戒的賠償は認められていないので、一般的に想定されている以上の補償は認められません。これに関しては、PL法との関連で問題があるようで、大学教員が学外の講演や授業などで使用する資料が、ソフトウェアのバグなどで台無しになった場合、高い受講料と受講生の交通費を保障することにはならないのです。それは、ソフトウエアを購入の際に渡される約款など(読むに耐えない量の文が小さな文字で書いてあります)に明記されています。大学教員の信頼の失墜なんて考えてもらえません。

さて、サービスの質に関して。複数の契約をまとめて割引になるように契約変更をしました。契約Aと契約Bとしましょう。契約Aの担当会社(A社としましょう)からは、契約Bの担当会社(B社としましょう)へ連絡がされました。ところが、契約Bの会社から私(のカミさん)へ「何度も連絡を試みたが、連絡が取れなかった」とのことで、2ヶ月後に二重引き落としになってしまいました。実は、2ヶ月前に1回連絡を試みて失敗して、それから2ヶ月後のつい数日前に2回目の連絡があったのでした。もちろん、公式には(労基法的に記録に残る範囲では)、その2回ということで、担当者はもっと多く連絡を試みていたのかもしれません。単純計算で2回/2月を「何度も連絡した」とは、一般常識では受け入れられないものでしょう。

「B社では、一般常識とは掛け離れた「2回/2月=1回/1月」を超える場合に「何度も連絡を試みた」と定義する。そして、その場合に、契約の更新は保留となり、一時的にお客様に二重に料金を負担してもらうことになる。(正式に確認がし完了した時点で遡って精算の手続きを致します。)」というような”告知”が、A社での契約の際に説明されるべきです。さもなければ、契約は無効です。民法では、錯誤による契約も無効あると規定されています。瑕疵によるものならば、いわんや。(A社の窓口の方は、B社がそんなやり方をするはずはない、というような口調でしたが、1回を何度もと言っていた(マニュアルに沿ってそう言っただけでしょうね)ことは確認してくれました。)

「工学」倫理的には、100/1のはずれはやむを得ないでしょう。100/1のはずれを引いた顧客に対して、「ミスを完全になくすことはできなくて(3σで管理しているので)、100台に1台は不良品が出ます(今回の場合は、100件に1件は確認連絡がスムースに行かないことがあります)。その場合は、お客様に損害が掛からないように致しております。」というのが本来では無いかと思うのです。100/1のbad caseについては、おそらく「クレーム対応窓口」の"アルバイト"でも対応できるようにマニュアルが整備されていることでしょう。100件に1件のbad caseが100件集まれば、そのうちの1件はdoubled bad caseとなり得る訳ですが、そのケースを"アルバイト"に任せるのは、会社の労務管理として間違っています(まるでブラックバイト、"ワンオペ")。責任者が出てきて対応すべきです。

またか!と思われるかも知れませんが・・・"ブラック"はダメです。

あと、製品管理を3σでやって、100件に1件出る”不良品”に対して、「当社のやり方にご満足頂けないのなら、解約してもらうしかありません」というやり方は、最初は見かけ上利益が上がると思います。見かけ上「儲かる」でしょう。だけど・・・長期はもたなくて、潰れるよ。

あ、工学倫理の講義ならば、無給でやってやるよ(旅費までは自分では工面できませんが)。