アマチュア無線の免許が欲しかった

2015年4月18日。

トピック「子供の頃に欲しかったもの」について

アマチュア無線の免許が欲しかったですね。

父は、ハム(アマチュア無線家)でした。高校の物理の教員であった父は、初級アマチュア無線技士の教科書を買ってきました。私が小学5年生の頃のこと。教科書は緑色のでしたね(何年か後に二人の弟が講習会で免許をとった時は、水色のに変わっていましたね)。

BCL(broadcast listing)が流行っていて、クーガーとかスカイセンサーとかをみんな買ってもらっていましたね。私も、ラジカセでAM放送のリスニングをしました。それを見ていた父が、更に一歩進んだ方向を教えてくれた訳です。無線工学も電波法規も興味深いものでした。

当時は、隣県まで国家試験を受けに行くしかアマチュア無線の免許取得の方法はありませんでした。そのためには、学校を休まなければならない。教師の父には、息子にそれをさせるわけには行かなかったようです。下の二人の弟は、講習会へ連れて言ってもらって免許取得しましたが、その時期は私の大学受験の年でしたので、私は連れて行ってもらえませんでした。

電話級を取ったのは大学1年のとき。直ぐに電信級も取りました。二アマ(第二級アマチュア無線技士)は学部学生の時、一アマは博士前期課程の1年生の時でした。思いは増幅して、学部のころに一技(第一級無線技術士)に挑戦したこともあります。が、予備試験を通りませんでした。40歳を少し過ぎた頃に再度挑戦し、今は一陸技(第一級陸上無線技術士)です。一技と比べると、工学の基礎、無線工学A、無線工学B、法規をどの順番で合格してもよいので、楽でした。残念ながら、「キャリヤ形成の観点から35歳までくらいの方を募集している」とのことで、放送局への転職はできませんでした。それ以外への転職だと、給料が半減してしまうので、やめました。年金生活になってからの再就職として考えるところですね。

上の息子は、興味を示したので、講習会で四アマを取らせました。下の息子は、無理でした。通信系の会社に就職が決まって「一陸技の取得を言われた」と私に相談して来る学生がかつていましたが、在学中の合格は無理でしたね。

悲しいのは、絶好の科学入門であるにもかかわらず、「アマチュア無線は個人的な活動に過ぎない」と、それを通じて電波・電気などの実際に触れる機会を学生に提供することがやりづらいこと。電波法規のアマチュア業務の定義から全くその通りで、「事務職員さん、よく法規を勉強されていますね」と思ってしまいます。同時に、学問の原点も全く同じところから来てる訳なので、それ自体を揺るがしかねないな、と危惧もしています。