地球外知的生命体とコミュニケーションできる可能性

2017年4月21日。

地球の40光年先にスーパーアース発見、生命体の証拠確認に有望視 (AFP=時事) - Yahoo!ニュース

ちょっと、びっくりですね。もし、40光年のところの生命体が知的生命体であって、知的文明が発展していたら、リアルタイムで地球外知的生命体とコミュニケーションできる可能性があるんですよ。

広い宇宙、地球以外に知的生命体は存在するでしょう。知的文明の発展も否定できません。しかし、宇宙が広すぎて、一つの星の知的文明と他の星の知的文明のコミュニケーションに要する時間は、知的文明の持続時間よりも長いことが予想される訳です。他の星の知的文明からの信号をキャッチしたときには、その文明は滅んでいる。死者からのメッセージのようになっているような、悲しい顛末が予想される訳です。

文明の持続時間内にコミュニケーションすることが困難であろうという予測に反して、リアルタイムにコミュニケーションできる可能性が出てきたんですね。自分が発した信号が40年後に他の星でキャッチされ、その返信を更に40年後に自分自身でキャッチする。驚異ですね。何十世代とかをまたいでではなく、一つの生命が送信と受信をするんですよ。

申し訳ありませんが、量的な見積りをした訳ではありません。文献調査もしていません。コメットハンターだった父が自身で星を眺めて宇宙の広さを感じ、私が聞かされた感覚でもあります。父なら何らかの計算をしたかもしれません。UFO騒ぎに対して、星図を持ち出して「あれは金星だ」って解析してましたので。

講義1(前期開講分) 平成29年度4回目

2017年月20日。

水曜の午後イチは、講義1。講義1は、月曜の午後イチと水曜の午後イチに。昨日は、講義1(前期開講分)の4回目。また昨日は、朝イチにブレインストーミングKJ法の3回目。5月に入ってから、同様なスケジュールの水曜があと3回ある。

今日からマクスウェル方程式に基づいての等方均質媒質中の電磁波(光波)の話。今日は、電荷・電流がない場合のマクスウェル方程式を解くこと。つまり、電磁波の存在。

この章の初回にどこまで進むべきが思い出せなかったので、昨年度のブログを参照。すごく役に立った。ただ、昨年度は、波動方程式 (1/v2)(∂2u/∂t2)=∇2u の変数分離解の説明に関連し、T''(t)+ω2T(t)=0 を解く演習をやられば良かった、と反省している。もう、違う演習問題にしてしまっている。それに関しては、昨年度と同じ様に、cos(ωt)、sin(ωt)が解であることは知っているでしょう、一般解がT(t)=A1cos(ωt)+A2sin(ωt)あるいはT(t)=Acos(ωt+δ)であることは知っているでしょう、で済ます。もちろん、右辺にT'を掛けると一回積分できて、それを無理やりdtとdTに分離して積分の形にして、置換積分を行うとその解が得られます、と言うことも述べる。マクスウェル方程式から波動方程式へは、例年通り。ただし、今はマクスウェル方程式という運動方程式を解こうとしている。そして、連立方程式を解くときに良くあるように、得られた解は必要条件でしかなく、十分条件については確認を行う必要がある、ということは強調する。

波動方程式 (1/v2)(∂2u/∂t2)=∂2u/∂z2 のダ・ランベールの解の後に、変数分離解に入るのも例年通り。ダ・ランベールの解は、前進波と後退波のイメージを持たせる目的。変数分離解として u(r,t)=Σω,kAω,kcos(ωt-kr+δ)・・・あ、位相項δもモードω,k依存にするるのが正確ですね・・・を書いた後、三角関数を加法定理を駆使すれば、この一般解に基づいて今後の議論を進めることはできます。中には、三角関数の加法定理の演習問題をみっちりやっていて、それのできる人もいるかもしれません、と。オイラーの公式を思い出して下さい。あるはcosθ=Re eですね。T''(t)+ω2T(t)=0 の解がcos(ωt)、sin(ωt)であることを直接代入して確かめる方法がありますね。そのときに、一回微分するとcosがsinになり、二回微分するとまたcosに戻りますね。exp(iω) を微分しても exp のままですね。ただし、係数にiが出て来ますが、といい、T''(t)+ω2T(t)=0 の解として e±iω を加える。そして、一般解としてu(r,t)=Σω,kAω,kexp[i(ωt-kr)] の形が理解できますね、と。k=(kx,ky,kz) については、u(r,t)=R(r)T(t) と変数分離したときと同様に R(x,yz)=X(x)Y(y)Z(z) と変数分離すれば、変数分離定数として出てくるとして導入済み。角振動数、波数ベクトル、波数の説明に加え、分散関係 k=ω/v についても説明。特に、exp[i(ωt-kr)] は、時間的には角振動数ωで振動し、空間的には波数ベクトルkの波であるけれども、それは必要条件に過ぎず、波動方程式 (1/v2)(∂2u/∂t2)=∇2u の解であるためには、十分条件として分散関係が成り立たなければならない、と強調。

複素振幅を exp(iω・・・) とする流儀と exp(-iω・・・) とする流儀があることについては、説明し忘れ。

その後、u(r,t)=Σω,kAω,kexp[i(ωt-kr)] の一つの成分(モードと言った方がよかたですね)を取り出して、マクスウェル方程式の解であるための十分条件を調べましょう、と。TEM波のところまで進んだ後、媒質の特性インピーダンスの話をして終り。

実は、TEMの強調に関しては反省しているところがある。光はTEM波だからマクスウェル方程式を書き換えた式(例えば、k=0)が成り立つ、という論理を行った院生がおり、私以外にもTEMを強調してている先生がいるとのことだが、ちょっと反省している、と。「TEM⇒マクスウェル方程式」ではなく「マクスウェル方程式⇒TEM」なんです。。。必要条件と十分条件は、苦手なのでしょうかね。

博士前期課程講義 平成29年度2回目

2017年4月19日。

火曜日の午前の後半は、博士前期課程の講義。昨日は、2回目。フォトニックフラクタルについて紹介。朝日新聞の第一面を飾ったのは、もう13年以上前になるんだ。

フォトニック結晶について話した後に、Phys. Rev. Lett.論文の内容を紹介。

現在、本学ではPhys. Rev. Lett.のオンライン購読はしていないようで(しているけれども制限が掛っていて見えないだけのかもしれない)、二年前の被引用数40件というのを更新できなかった。随分ショックな事実で、それが落胆すべきことであるのも話した。センセーショナルだったにもかかわらず、40件で発展が止まっていることもショックなこと。

学生が質問をしてくれたのは、良かった。一つは講義で述べた5-30GHzが測定周波数領域であることの確認だが、13GHzくらいのところで反射率も透過率もデップ(それが閉じ込めを示唆する)があることを再度示せたは良かった。その学生は、テラヘルツ光をやってるので、どれだけのダウンサイジングで閉じ込め周波数がTHzになるかについてもコメントを加える。同じ学生が、光閉じ込めって何に使えるんですか、という質問。新聞記事だったかに書いてあった「光池」を紹介。そのまま、解説(記事そのものだったかも知れません)に「光池」が書いてありました、と。電池との対比の「光池」の説明も。

講義終了後にフォトニック結晶はわかるんですが、フォトニックフラクタルはいったいどんな現象かわかりません、という追加質問。それは、直感で捉えられない現象を見つけたから、Phys. Rev. Lett.に論文が載ったんでしょう、と。高分子などでできるフラクタル構造は、フォトニックフラクタルに使えないんですか、という質問も。DLAの絵を見せて、ある構造について、この箇所では光増強が強い、ということはあるかも知れませんね。サイエンスとしては、興味深いことです。それを工場のラインに乗せて、同じものを量産するのは無理でしょう。センサーならば、使えるかもしれませんね。分波器はどうですか・・・

楽しい授業であった。

講義1(前期開講分) 平成29年度3回目

2017年4月18日。

月曜の午後イチは、講義1。昨日は、講義1(前期開講分) 平成29年度3回目。磁場Hに対する境界条件(異なる媒質の境界での磁場Hの接続条件)の後、電磁場のエネルギーについて。前者は、前回からの続き。前回は、磁束密度B電束密度D、電場についてEについて順にやった。90分だと3項目位がいいところ。今日は2項目なので少ない。これは、従来はベクトル解析の演習をやってたところ、数学演習で行うので、この講義内ではやらないことにしたため。電磁場の境界条件の演習問題をやるように変更。後ろにずらしたのは、少なくとも電磁波について講じた後の方が、後の内容とのつながりがいいから。

媒質1側の磁場H(1)と媒質2側の磁場H(2)の接続条件は、(H(2)-H(1))・t=J~ntは境界面接線ベクトル、J~は境界面での電流線密度。nストークスの定理を適用する面の法線だが、今は境界面法線n12(媒質1から2へ向く)とtnとでトリプレットを形成することが重要でt=n×n12t=n×n12を(H(2)-H(1))・t=J~nの左辺に用い、スカラー三重積の公式によって式変形すると、nが(境界面内にあれば)任意なので、n12・(H(2)-H(1))=J~が得られる。前回の(E(2)-E(1))・t=0を成分で書き下す場合には、必要条件と十分条件についての考察が必要であった。(H(2)-H(1))・t=J~nに基づいて成分の式を書く場合は、それだけでなく、tがx(y)方向の場合にnはy(x)方向なのか-y(x)方向なのかところで誤りを犯しやすい。n12の方向をz方向に取った。n12・(H(2)-H(1))=J~を成分で書き下すときは、計算を間違えなければ、左辺のx成分は-(Hy(2)-Hy(1))となり、y成分はHx(2)-Hx(1)となる。

電磁場のエネルギーについては、要はポインティングベクトルの確認(復習)。しかし、私が講義をするのだから、保存則の一般形の話から入る。例年そうしている。ジュール損失JEが出てくるので、吸い込み項(sink term)のある場合の式を書いておく。今回は、ジュール損失という言葉だけに留め、sink termの位置にJEがある電磁場のエネルギーの式を書いて、ポインティングベクトルがエネルギー流束そのものであることを説明。その後、密度量で書いたオームの法則JEを用いると、JEE2となり、これが電気回路のジュール熱W=RI2に相当することに言及。今回は、まず、抵抗Rを低効率ρ=1/σで断面積S、長さlの物質とした図を描いた。J=σEにおいて、電流密度を電流IをSで割ったもの、電場Eについてはそれが電位勾配であることから、抵抗の両端の電圧Vをlでっ割ったものに等しいことから、オームの法則V=RIを導出した。これに関しては、ここまで。平行平板コンデンサの図を描いて、U=CV2/2と電場のエネルギー密度w2E2/2についても同様と述べてこの節は終り。

時間に余裕があることは予想通り。来週の月曜に行う予定の演習の問題を印刷したものを配布して終了。

朝イチの演習と本講義間に見つけていたフォトディテクターのエラー。原因は、オペアンプの-15Vの電源のコネクターが外れていたため。片肺は、オペアンプの故障につながるが、無事だったよう。事なきを得て、よかった。

 

演習 平成29年度2回目

2017年4月17日。

朝イチは数学演習。今日は2回目。1回目はガイダンスだったので、実質1回目で私の担当する1回目。

ベクトル解析の内容。少し難易度が低く、演習問題を板書してくれた学生による説明も、一人を除いて、丁寧さが足りない。難易度不足なので、そうなるのも仕方ないところか。

他の問題と統合したり、数値を変えるようなことをしたり(ベクトルなので、”数値”は同じで向きを変える)、一般化した問題にしたものを試験では出します。もし、全く同じならば解けるけれども、数値を変えたら解けないならば、言って下さい。この場でやりましょう。一般化した問題についても同様です。この問い掛けに、反応なし。

別解を出すかもしれませんよ。と言って、テキストの○○ページを見て下さい。ベクトルの外積にレビチビタ記号を用いた定義が書いてありますね。今日やってくれた問題、かつて「レビチビタ記号を用いた証明もありますが、大丈夫ですか? ここでやらなくても、試験に出していいですか?」と言って試験に出したら、誰もできなかった、という話を。もちろん、実質的にはできたとみなして良い、とものはありました。数名を除いて再レポートの対応をするのは大変なので、今回は途中までの計算と、必要な公式を示しました。

午後イチは講義1の3回目。

演習と講義の合間に測定装置の調整を行おうとしたら、なんとフォトディテクターの出力電圧が振り切れ。光を遮断してもそのまま。電源を入れ直してもリセットできない。しばらく電源を切って冷却することに。冷却で回復すればいいのだが。

メトトレキサート8mg/週

2017年4月13日。

今月に入ってから、メトトレキサート8mg/週です。関節リウマチなどの標準的な量ですが、やはり、関節症状は出てますね。最初は、爪を切ってもいないのに、深爪したときのように歩きにくかった。それは直ぐに慣れましたが、左足の小指が返るんですね。これも慣れましたが、小指の爪の上の軽い皮下出血は残ってます。皮下出血が治りにくいのは、膠原病患者だから仕方ないでしょうね。幸い、板書できないような、手の指の症状はない。膝は、たまにガクッと来る。足もいろんなところにぶつけますが、上体もぶつけることがありますね。人ごみを避けて階段で講義室へ向かうときに、集団で階段を下りる学生とすれ違い、ヒヤッとしました。

腎臓の負担を減らすために免疫抑制剤を減らしてみましょう。新年度、新学期の始まるこの時機にこれは、ちょっと迂闊に思えますね。月末の診察のときまでに、ある程度は慣れると思います。関節症状をカバーするように筋力をつければいいことに関し、その時間が余裕をもって確保できる時機だと良かったのです。

このブログは、闘病記ではない。「成人スティル病の患者が頑張っている姿、復活した様子を発信し、他の同様な病気等の方を励ましたい」ということはブログを綴りはじめた頃に書きました。しかし、多少は闘病記的なものも混じりますね。久しぶりにそのカテゴリーでした。

講義1(前期開講分) 平成29年度2回目

2017年4月12日。

今日は、電磁場の境界条件のうち、磁束密度B電束密度D、電場Eに対するもの。BDについては、ガウスの定理を適用して導出。EHについてはストークスの定理を適用して導出。

一番簡単な∇・B=0から出てくるものが最初で、境界面をはさんで磁束密度の境界面法線方向成分が連続になるというもの。次に∇・D=ρから出てくるもの。電荷面密度を導入して、電束密度の境界面法線方向成分が電荷面密度分だけ不連続になるというもの。電束密度に関しては、使用している教科書でコンデンサ容量の計算の例があげてあるが、いい例だと思うので図を描く。平行平板コンデンサーは、電場のイメージを思い出させるために、第一回目でも描いている。

Eについては∇×E=ー∂B/∂tを境界は面を横切る面渡って積分して、左辺にストークスの定理を適用する。忠実に教科書をなどるなら、講義の意味はない。私は面を貫く磁束Φを導入している。面を四角形とし、四角形の上辺と下辺が面と境界面の光線に一致する極限を考えると、Eについての境界条件(接続条件)が出てくる。その極限において、磁束Φはゼロとなる。従って、右辺の面積分はゼロ(積分と時間微分の順序の変更については断らなかった)。

BについてもについてDも境界面法線方向をz軸にとって、成分で表したものも示している。Eについては、まず(E(2)E(1))・t=0を成分で書き換えることをやる。tは境界面の接線ベクトル、境界を挟んで媒質1と2が接しているとし、スーパースクリプトを付けてどちらの媒質内の電場かを示した。これから、Ex(2)=Ex(1), Ey(2)=Ey(1)に至るには、tはxy面内にあれば任意だから、というのを使う必要がる。任意だからtがx方向の場合にもy方向の場合にも成り立たなければならないという、必要条件であることは直ぐにわかる。十分条件であることは、理解の難しい学生もいると思われる。境界面法線n12(媒質1から2を向く)、ストークスの定理を考える面の法線nを使うと、tn12n外積で表される。(E(2)E(1))・t=0のtにこれを代入してから、スカラー三重積の公式を適用するとn・(n12×(E(2)E(1)))=0となる。nは任意なので、n12×(E(2)E(1))=0となる。これを成分で書き下し、Ex(2)=Ex(1), Ey(2)=Ey(1)を得る場合には、必要条件・十分条件の理屈は不要である。

途中、携帯は電源をオフにする必要がないことが私の方針であることを述べる。家族の病気や事故の連絡は、その旨述べて応答して下さい。私自身が病気の身なので、緊急時の連絡の必要性はわかっています。これは、緊急でない連絡を慎むことを意味してもいます。緊急でない連絡で授業に支障がでて、携帯の電源をオフにすることになったら、それは必要な緊急の連絡を妨げることになるのです。