演習 平成29年度2回目

2017年4月17日。

朝イチは数学演習。今日は2回目。1回目はガイダンスだったので、実質1回目で私の担当する1回目。

ベクトル解析の内容。少し難易度が低く、演習問題を板書してくれた学生による説明も、一人を除いて、丁寧さが足りない。難易度不足なので、そうなるのも仕方ないところか。

他の問題と統合したり、数値を変えるようなことをしたり(ベクトルなので、”数値”は同じで向きを変える)、一般化した問題にしたものを試験では出します。もし、全く同じならば解けるけれども、数値を変えたら解けないならば、言って下さい。この場でやりましょう。一般化した問題についても同様です。この問い掛けに、反応なし。

別解を出すかもしれませんよ。と言って、テキストの○○ページを見て下さい。ベクトルの外積にレビチビタ記号を用いた定義が書いてありますね。今日やってくれた問題、かつて「レビチビタ記号を用いた証明もありますが、大丈夫ですか? ここでやらなくても、試験に出していいですか?」と言って試験に出したら、誰もできなかった、という話を。もちろん、実質的にはできたとみなして良い、とものはありました。数名を除いて再レポートの対応をするのは大変なので、今回は途中までの計算と、必要な公式を示しました。

午後イチは講義1の3回目。

演習と講義の合間に測定装置の調整を行おうとしたら、なんとフォトディテクターの出力電圧が振り切れ。光を遮断してもそのまま。電源を入れ直してもリセットできない。しばらく電源を切って冷却することに。冷却で回復すればいいのだが。

メトトレキサート8mg/週

2017年4月13日。

今月に入ってから、メトトレキサート8mg/週です。関節リウマチなどの標準的な量ですが、やはり、関節症状は出てますね。最初は、爪を切ってもいないのに、深爪したときのように歩きにくかった。それは直ぐに慣れましたが、左足の小指が返るんですね。これも慣れましたが、小指の爪の上の軽い皮下出血は残ってます。皮下出血が治りにくいのは、膠原病患者だから仕方ないでしょうね。幸い、板書できないような、手の指の症状はない。膝は、たまにガクッと来る。足もいろんなところにぶつけますが、上体もぶつけることがありますね。人ごみを避けて階段で講義室へ向かうときに、集団で階段を下りる学生とすれ違い、ヒヤッとしました。

腎臓の負担を減らすために免疫抑制剤を減らしてみましょう。新年度、新学期の始まるこの時機にこれは、ちょっと迂闊に思えますね。月末の診察のときまでに、ある程度は慣れると思います。関節症状をカバーするように筋力をつければいいことに関し、その時間が余裕をもって確保できる時機だと良かったのです。

このブログは、闘病記ではない。「成人スティル病の患者が頑張っている姿、復活した様子を発信し、他の同様な病気等の方を励ましたい」ということはブログを綴りはじめた頃に書きました。しかし、多少は闘病記的なものも混じりますね。久しぶりにそのカテゴリーでした。

講義1(前期開講分) 平成29年度2回目

2017年4月12日。

今日は、電磁場の境界条件のうち、磁束密度B電束密度D、電場Eに対するもの。BDについては、ガウスの定理を適用して導出。EHについてはストークスの定理を適用して導出。

一番簡単な∇・B=0から出てくるものが最初で、境界面をはさんで磁束密度の境界面法線方向成分が連続になるというもの。次に∇・D=ρから出てくるもの。電荷面密度を導入して、電束密度の境界面法線方向成分が電荷面密度分だけ不連続になるというもの。電束密度に関しては、使用している教科書でコンデンサ容量の計算の例があげてあるが、いい例だと思うので図を描く。平行平板コンデンサーは、電場のイメージを思い出させるために、第一回目でも描いている。

Eについては∇×E=ー∂B/∂tを境界は面を横切る面渡って積分して、左辺にストークスの定理を適用する。忠実に教科書をなどるなら、講義の意味はない。私は面を貫く磁束Φを導入している。面を四角形とし、四角形の上辺と下辺が面と境界面の光線に一致する極限を考えると、Eについての境界条件(接続条件)が出てくる。その極限において、磁束Φはゼロとなる。従って、右辺の面積分はゼロ(積分と時間微分の順序の変更については断らなかった)。

BについてもについてDも境界面法線方向をz軸にとって、成分で表したものも示している。Eについては、まず(E(2)E(1))・t=0を成分で書き換えることをやる。tは境界面の接線ベクトル、境界を挟んで媒質1と2が接しているとし、スーパースクリプトを付けてどちらの媒質内の電場かを示した。これから、Ex(2)=Ex(1), Ey(2)=Ey(1)に至るには、tはxy面内にあれば任意だから、というのを使う必要がる。任意だからtがx方向の場合にもy方向の場合にも成り立たなければならないという、必要条件であることは直ぐにわかる。十分条件であることは、理解の難しい学生もいると思われる。境界面法線n12(媒質1から2を向く)、ストークスの定理を考える面の法線nを使うと、tn12n外積で表される。(E(2)E(1))・t=0のtにこれを代入してから、スカラー三重積の公式を適用するとn・(n12×(E(2)E(1)))=0となる。nは任意なので、n12×(E(2)E(1))=0となる。これを成分で書き下し、Ex(2)=Ex(1), Ey(2)=Ey(1)を得る場合には、必要条件・十分条件の理屈は不要である。

途中、携帯は電源をオフにする必要がないことが私の方針であることを述べる。家族の病気や事故の連絡は、その旨述べて応答して下さい。私自身が病気の身なので、緊急時の連絡の必要性はわかっています。これは、緊急でない連絡を慎むことを意味してもいます。緊急でない連絡で授業に支障がでて、携帯の電源をオフにすることになったら、それは必要な緊急の連絡を妨げることになるのです。

博士前期課程講義 平成29年度1回目

2017年4月11日。

この講義は、ダブルディグリー(海外の提携大学の学位と本学の学位の両方の同時取得)のコース講義となっているので、本来は英語で講じなければならない。「開講年度の数字が奇数のときに英語で講ずることになっています。偶数年次に日本語で補講を行うことを計画しています。」という私の親切に対し、かつて「どうしても今年度に日本語でやって欲しい」といわれ、受講生の多くがそうだということで、嘆願書でも出てきたら応じざるを得ないと応えたことに対し、それに等しい形に持っていかれました。つまり、ダブルディグリー(DD)を学生に崩壊させられました。

更に、この科目は「コンピュータ工学系」とかいう3つのコースの共通科目にもなっています。ところが、私の所属するマスターのコース以外の二つのコースの時間割表には記載されていません。これも崩壊しているんでしょうかね?

以前は、半分は材料系への応用を観点に置いた統計力学・熱力学、もう半分は工学基礎としての統計力学・熱力学ということを宣言していました。それが、「コンピュータ工学系」の共通としては不適切だったのかもしれません。工学基礎としての授業はやります - DD科目としても適切かと思います。材料系の統計力学・熱力学もやります - 「コンピュータ工学系」の共通科目にはしませんし、DD科目にもしません。実は、今が機会なので、担当者に伝えました。

さて、講義内容ですが、「フラクタル」です。ゲル、ポリマー等の網目構造を解析するために必要だったという、自分の需要から、この内容にしています。フラクタルは、極力避けるようにしてきました。それは、取り留めたがないからです。それを知らない方は、平気でフラクタル様になる条件で結晶成長・材料プロセス等を行います。避けようと努力してきたこことの一番は、X線。二番は真空。これらは、漏れが起きると取りとめがなくなる。

今日はイントロですが、ある程度の「絵」を見せます。分数の次元、自己相似性というキーワードは出します。それが、イントロに相応しいと思います。

履修者名簿を見ていて、高分子(合成)系の学生が履修しているのかな、と思いましたが、違ったようです。また、フローリーの教科書を使った講義があったはずなので、高分子の広がりのフローリーの指数の例を出しましたが、聞いたことがないようでした。

講義1(前期開講分) 平成29年度1回目

2017年4月10日。

今年はのこの講義は、前期の前半に工学部の学生に対して開講し、後期の前半に理工学部の学生に対して開講する。前者は3年生、後者は2年生。月曜の午前中には、数学演習の授業がある。これは3年生向け。つまり、マクスウェル方程式を記述するための数学の演習は、3年生の学生に対しては同時進行で演習の授業がある。今までは、講義内でベクトル解析の演習を行ってきたが、3年生に対しては少し演習問題を変えようと思う。後期前半の2年生に対しては、変えない積り。3年生の学生に対するこの講義は、前期の内に再試験に相当するものを繰り返し、前期のうちに全員合格としたい。3年生の学生に2年生対象の講義は受けさせない。これは、先行科目が異なることを意識して授業の構成を組み立てるため。本日の講義の最初のイントロダクションでは、そんなことも説明しなければならない。

イントロ(授業の注)の後半は、先行科目の説明。つまり、マクスウェル方程式に基づいた学問の体系の説明。電磁気学マクスウェル方程式を学んだ次の段階がこの講義。発展としては、導波路や導波管中での電磁場の振舞い(光波の場合だと光導波工学)、レーザー共振、回折の応用としてはフーリエ光学。

まだイントロは続くがもう専門分野の領域。可視光がどの波長領域かをイメージしてもらうために、比視感度の話を。比視感度の漢字を板書し忘れ。λ[m] = 300/f[MHz]を紹介し、光と電波の波長の違いを「自主学習を促すために、自分で確かめて下さい」と。

イントロの後は、マクスウェル方程式を思い出してもらうことを、教科書に従って行う。それに次いで、次回の講義のためにガウスの定理とストークスの定理を思い出してもらうことをして終わり。例年、マクスウェル方程式については、単なる数学ではなく、物理的なイメージを持てるような説明を加えている。元の積分系の法則を微分形に書き換えたものだという説明は当然。電場のイメージ、電束・電束密度のイメージの説明を加えている。さて、電気力線の密度だとイメージが沸きますよね ・・・「 あれ、電気力腺の「単位」って」という問題は、解決済みですか?

ベクトルの微分演算子について説明した後、次の授業に使うガウスの定理とストークスの定理の説明。忠実に教科書に従うならば、講義の意味は(ある意味で)ない。講師独自のアクセントがあるから、講義の意味がある。この場合のそれは、「部分積分の3次元版、2次元版がこれらの公式ですよ」。

この学年は、私が新入生オリエンテーションで「学生生活について」を行った学年。一つ前の学年も私の担当だったが、入院中で副学生委員に代理をしてもらっている。2年前の新入生オリエンテーションで「咳エチケットについて」話したことを覚えていますか、授業開始に2年前のスライドを示した。その後、現在は免疫抑制剤だけになっていて、私自身がマスクをすればよい程度まで回復しています(お陰様)の補足。

課外活動に関する大学教員としての建前と本音

2017年4月9日。

まだ、3年生に対するオリエンテーションが残っているが、一応明日から授業開始。

新入生オリエンテーションの一環で、弁当を食べ~歓談したときにのべたことを記しておきます。課外活動に関して述べたことです。大学教員としての建前と本音ですが、長男が3才のときにアメリカで一緒だった方と、出張のときに浪人中の息子と一緒に食事をしたときに話したことでもあります。

運動はした方がいい。私の例だと、運動の習慣があったので、本来ならばステロイドがもっと減量になってから、ステロイド筋症からの回復のためのリハビリをするところ、廊下の手すりを使って自分で筋力回復を行いました。運動部に入ることは必須ではありませんが、運動はして下さい。私自身は、運動部には所属していませんでした。今では、剣道5段に挑戦できるまでに回復しています。

スキルを身につけると強い。これはについては、「私は第一級陸上無線技術士です」と、自分のことを最初に紹介します。器用貧乏には注意しなければなりませんが、研究で使用する測定装置の一部は、自分で電気電子工作をします。さすがに一家を支える身での転職は無理ですが、退職後に年収300万円くらいの再就職は可能なようです。

もう一つは、教養とか文化とかの類。これも私の場合の紹介から。昔取った杵柄の将棋3段です。町内将棋大会では、1回戦突破程度です。大学の将棋部の助言指導教員をやっていますが、大会へ出場して勝つようなレベルは5程度なので、歯が立ちません。それでも、自分の幅が広がるんですね。プロ棋士と一緒に写った写真もありまます。また、将棋などだと、大局観などの人生訓を語り合えます。武道にも棋道と同様なところはあります。「運動部」には、社会の中でそれに基づいたネットワークが存在しますし、教養・文化についても同様ですね。仕事だけのネットワーク以外に、多重のネットワークがあると、人生広がるよ。

もうこれで本音はわかったでしょう。これには、前置きとして、運動でもスキルでも教養・文化でもなく、単に語り合う仲間が実際のところ切っても切れない繋がりをもていることがあることを。つまり、何の目的もなくて「だべる」仲間、そこにも繋がりがあるんですね。運動部で強固なネットワークができるのは、そんな時間があるからでしょうか?

実は私、将棋部は1年生の前期でやめました。授業の後に夕食まで将棋。食事の後の付き合いは、将棋のこともあれば麻雀のこともありました。毎日食事後の付き合いをしていては、勉学の時間が減ってしまいます。私は大学院は応用物理学科へ進学しました。何とM1のときに1年生のときに将棋部で一緒だった奴が、留年していて、その関係で研究室(の教員のところ)へ来ました。声を掛けてくれたのは向こうの方からでしたが、1年生のときのことが一気に蘇って来ました。もう、もう再現はありえないことは、寂しいことですが。米国でなった友人との繋がりが復活したのは全く偶然ですが、家族ぐるみの付き合いはもう切れないでしょうね。

H29年度新入生研修

2017年4月8日。

今年度の新入生研修は、先日に教員紹介と交流会を済ませているので、プレゼンテーションスキル等の講義等と「ブレインストーミング(BS)とKJ法」の実習の1と2。今のM1の学年が1年生のときに始めたBS&KJ法。最初の年はシラバスに書けなくて、授業のときに学生の合意を取って実施。一昨年度の試行を経て、昨年度から本格的な全学の取り組みとなった。全学の取り組みとなったので、後身に担当を譲る。新入生研修の形のこの取り組みの担当者は、毎年全数入れ替えがこれを推進している組織の方針だったが、きつい言葉で批判し、半数入れ替えとした。私は前年度で終るはずで、今年度の担当者はゼロから授業準備をするはずが、今回の新入生研修が引き継ぎの機会となった。

不思議なことに、5年前はブレインストーミングのルール違反をやるグループが多くあり、「交通整理」を行う教員やTAが必須な状況であったが、年々改善されている。TAの院生はそれを経験しているので、必要ならば交通整理をする積りでいてくれた。ところがその必要は全くなかった。担当者が年々やり方を工夫しているだけでは、TAの数をもっと減らしても問題ないのでは、という程の改善は期待できないはず。年々やり方を工夫するには、半数入れ替えは、非常にいいい。更に改善が期待できる。担当者の工夫以上の改善は、受講生の意識の変化ではないだろうか? 大学入学以前にBS&KJの経験をしている学生が優位な数になっている。卒業生が帰省したときに高校などへフィードバックを返しているのかもしれない。

ブレインストーミングで自由奔放に意見が出てくるのを見るのは、嬉しい。BSのルール無視で貝になってしまったり、肩をすくめたり、肩を怒らせたりする雰囲気だと、担当教員も気が滅入る。自由闊達な雰囲気からは元気をもらえる。

ブレインストーミングのいいところは、人間的な成長があること。大げさな言い方かもしれない。TAの院生はそれを、「議論は論理的に進めるべきだという先入観から、批判を行ってしまったが、(批判をしないで)話を最後まで聞くことを学んだ」と言うように言っていた。話を最後まで聞いてもらえて、人前で話せるようになった、という効果のあった者も。